2015/05/20

大阪都構想住民投票に思う

政治の話はなるべく避けているが、あえて2点感想を述べておきたい。各種マスコミでうんざりするほど解説された大阪都構想なるものの中味についてではない。住民投票そのものの経緯やその是非についてである。

まず、公明党の強(したた)かさについて。ほとんど風前の灯と化していた都構想について、住民投票でその是非を問うという橋下市長の起死回生の奇策が実現したのは、ひとえに公明党が突如として住民投票実施賛成に転じたためである。時をほぼ同じくして、衆議院総選挙において公明党が候補擁立を予定していた選挙区全てで、日本維新の党が対立候補の擁立を見送ったことから、その裏に政治的取引があったことが確実視されている。

そのまた裏には、橋下氏と良好な関係にある官邸筋、具体的には菅官房長官の介入ないし調整が行われたと見るのが妥当なところである。住民投票翌日の官房長官定例会見で、一地方自治体の住民投票結果に官房長官が個人的感想を述べるなどという異例の事態はそのことの傍証だろう。

それはともかく、政治家橋下徹の誕生に関わった公明党、創価学会は、後に都構想の進め方を巡って橋下市長と決定的に対立するところとなり、市長も「公明党に裏切られた」と公言して、一旦は袂を分かったかに見えた。しかし、都構想で議会の歩み寄りを得られず万策尽きていた橋下市長に、公明党は救いの手を差し伸べ、住民投票の道を開いてやることと引き替えに、金城湯池・大阪の衆院議席を堅持したのだ。

公明党は都構想そのものには反対していて、住民投票は反対多数になると踏んでいたのかもしれないが、仮に賛成多数となっても、「一体誰のお蔭で住民投票が実施出来たのか」ということになり、逆に反対多数になれば橋下氏は政界引退となって、まさに「肉を切らせて骨を断つ」結果を得る。

つまり、どちらに転んでも自らの有利に働くという計算があったのだろう。長年にわたり日本の政治のキャスチングボートを握り続け、各種選挙の日程は創価学会の行事を考慮して決まるとさえ言われる公明党の政治力と強かさを、改めて痛感させられた次第である。

もう一点は、この住民投票自体の是非について。橋下市長は当日夜の記者会見で、「民主主義は素晴らしい」「日本の民主主義はレベルアップした」などと述べているが、本当はそこにある限定をつけなければならない。しかし、恐らくそんなことは百も承知の上でそう言い切ってしまうところが、橋下流の人心収攬術の真骨頂なのかもしれない。

ここで「ある限定」と言ったのは、彼が言っているのはあくまで「直接」民主主義だということである。「民意」を受けた強力なリーダーが、既得権益と戦いながら改革を進める。彼のスタイルからすればそれが理想で、今回大阪はそれに一歩近づいたというのだろう。

しかしながら、日本は議会制民主主義の国である。間接民主主義である。主権者である国民(市民、府民)が選挙によって議員を選び、その議員が議会で議論して法律や条例を作り、政策を決めるというのが原則である。

市議会で住民投票条例を可決したのだから、それでOKではないかと言われればその通りかもしれないが、では議会は一体何のためにあるのかということになる。事あるごとに「民意を問う」として住民投票が実施されるようになれば、議会制民主主義は有名無実化しかねない。

古来、人々は望ましい政治のあり方について色々と頭を悩ませてきた。プラトンが予言したように、民主政治がやがて大衆迎合主義、衆愚政治へと陥り、独裁者の登場を許した歴史もある。そうした手痛い犠牲を払った上で、ほとんどの民主的な近代国家は、議会制民主主義という、わざと手間のかかる制度に行き着いたのだ。

議会が言うことを聞かないからと言って、手間のかかる説得、調整の手続きをすっ飛ばし、住民投票で一気に事を決しようというのは、時計の針を逆に戻すことに他ならない。「分かりやすい政治」は、その反面で大変な危険性がある。人々がそのことを認識しなくなっているとすれば、これは恐ろしい時代だと言わざるを得ないだろう。

5月19日 休養
5月20日 ジョグ10キロ

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2014/11/19

一年半待て

松本清張の『一年半待て』という短篇推理小説がある(新潮文庫『張込み』所収)。妻が今で言うDVの夫を突発的に殺したものの、情状酌量で執行猶予付きの判決となった事件は、実はその結果を得るために用意周到に仕組まれた計画的犯罪だった▼まだ読んでいない読者のためにそれ以上の詳細は書けないが、一旦判決が確定した者に対しては、後に本人に不利な事実が判明しても再審は行わないとする「一事不再理」の規定まで踏まえた、完璧な犯行だった。その計画が半年単位で、一年半かけて実行されたというのがタイトルの由縁だ▼消費税率10%への引上げが一年半延期されることになったとの報道を見て、昭和32年に発表されたこの古い小説を思い出したわけだが、果たしてその一年半の間に経済情勢を好転させるための「周到な計画」はあるのだろうか▼最初の半年でここまで、次の半年でここまで、と小説の主人公は冷静沈着に夫殺しの計画を実行していった。同列に論じるのはどうかと思うが、国家財政や国民生活に多大の影響を及ぼす税制の運用には、それとは比較にならない「用意周到さ」が求められよう▼ところで、清張の小説は、折角実行した犯罪の目的そのものが問われる、意外な結末となっている。一年半延期された挙句、消費税率引上げの手段と目的がちぐはぐになる結末だけは、読まされたくないものだ。

以上は、朝日新聞「天声人語」の文体を真似て書いた「戯作」である。内容は必ずしも私の主張ではないことをお断りしておく。

11月19日 休養

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2014/10/02

物言う回答者

全国消費実態調査が始まって1か月が経過し、9月分の家計簿が完成した。若い頃は経済調査みたいな仕事をしたことがあって、この種の統計調査にはお世話になったものだが、いざ回答する側に回るとなかなかに大変なことが分かった。

何が大変かと言えば、調査票である家計簿のつけ方が非常に分かりづらいのだ。「記入のしかた」なる小冊子が添付されているのだが、これが一筋縄でいかないシロモノなのだ。これを一度読んで理解できる人は、この調査を実施している側の当事者か、さもなければ大天才だ。(笑)

およそこうした統計調査では、まず最初に、①記入の「原則」があって、次いで、②「例外」、そして最後に、③具体的な「記入例」と順序立てて説明すべきであるのに、「記入のしかた」では①がなく、いきなり③と②が混然一体となって提示されている。

作成者は調査内容をよく知っているから不自然に思わないかもしれないが、調査内容を全く知らない人間にとっては、③と②から逆に①を推測せざるを得ない不合理を生じるし、誤解に基づく記入誤りを生む原因となる。

以上のような感想を書いた文書とともに今日調査員に提出したが、はてさて真面目に対応してくれるものかどうか。ところで、1か月分の謝礼として2千円分の商品券を奈良県から頂戴した。これも今月の家計簿に記載しなければならないのだが、その記入方法がまた厄介だ。(苦笑)

9月29、30日 ジョグ10キロ
月間走行    238キロ
10月1日    休養

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2014/08/25

平成26年全国消費実態調査

総務省統計局長名でタイトルの調査への回答依頼があった。依頼状に曰く、

「全国消費実態調査は、皆様の収入や支出とともに、住宅・宅地や貯蓄・負債及び耐久財等の保有状況などを家計簿等の調査票に記入していただくことによって、国民の暮らしの実態を家計の所得、消費、資産の三つの面からとらえるもので、国の最も重要な統計を作成するための調査のひとつです。」

5年に一度行われている調査で、統計上の抽出方法に基づき全国で5万6千世帯を選定した中に、めでたく(?)我が家が入ったということのようだ。

先日調査員なる人物が訪ねて来て、帳票一式に加え、これぐらいどこの家にもあると思うが、シャープペンシル、替え芯、消しゴム、メモ帳、電卓といった文具まで置いていった。後で貰えるのかしら?(笑)

Shouhi

とりあえず、「世帯票」なるものは書いたが、問題は来月から3か月間、毎日毎日、その日支出したものの品名と金額を事細かく「家計簿」に書いていかねばならないのだ。我が家はこれまで家計簿などつけたことがなく、相当煩雑な作業が予想される。

私の場合はもう退職して時間的余裕があり、若干謝礼が出るらしく、また格好のブログネタでもあるからして(笑)、大人しく受けることにしたものの、例えば共働きの家庭など到底協力できないのではないかと思われる。ネット検索にこの調査名を打ち込むと、すぐ「拒否」「断る」と出てくるのも頷ける。

たとえ「統計上の抽出方法」に基づいたとしても、最後のところで回答してくれそうな世帯に偏ったとしたら、「国民生活に関する施策、例えば、社会保障制度を検討するための基礎資料」として適当でないような気がするのだが。

8月22日    ジョグ10キロ
8月23、24日 休養
8月25日    ジョグ10キロ

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2013/12/19

猪瀬知事辞任

以前、五輪招致を巡る不適切発言の際、「招致失敗の悪い予感がする」と書いた。幸いその予感は的中せずに済んだけれども、あの時と同じように後手後手の弥縫策で遣り過ごそうとして、自ら墓穴を掘る結果となった。

前にも書いたが、気鋭の論客であった氏がなぜあんな無様な姿を晒しているのか不思議でならなかった。攻めるのは得意でも、守りに入ると勝手が分からないのだろうか。

辞任表明が遅きに失したとする向きもいるが、そうは思わない。まさか就任1年で退職金が増えるのを待っていたわけではないと思うが、あれぐらいのポストの人間が辞めるのは実はそう簡単なことではないのだ。

一番の問題は最後の仕事となる後任者選びだ。自分の後釜となる候補者を誰にするのかを決め、本人やその周囲を説得するには少々時間を要する。当然、選挙日程も絡んでくる。知事の答弁が木で鼻を括ったようになったのは、その時期に入ったということで、意外に早い時期から辞任の肚を決めていたのではないかと思う。もちろん、後任が決まる前に進退窮まってしまった可能性はあるが。

12月16、17日 ジョグ10キロ
12月18日    休養

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2012/12/16

苦渋の選択

今日は衆議院総選挙の投票日。前にも書いたように現職のT議員が突如引退を表明し、その息子が地盤を引き継いで立候補することとなった。世襲により選挙区を私物化したという批判に、候補者は公募で決定したと弁明するものの、結果ありきの形式論でしかないのは明らかである。

で、当然ながら対立候補に投票したいところだったが、今回に限ってはよんどころない事情により、その息子とやらに清き一票を投じざるを得なかった。こちらも生活がかかっているからなあ。(泣)

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2012/10/14

またやってくれた

「近いうち」がいつなのかさっぱり見えない衆議院解散・総選挙であるが、今や某アイドルグループの「総選挙」の方が国民的関心事となってしまったのかもしれない。

ところで、我が選挙区の現職T議員が今期限りで引退すると、確か先日の新聞に載っていたと思うのだが、今日予定されていた引退表明会見は延期されたという。

さもありなん。数年前と同様、また本人が勝手に言い出して、周りが慌てて止めに入ったという構図なのだろう。きっと、またまた同じように前言を撤回し、「止むに止まれず」とかで立候補することになって、満天下に恥をさらす結果になるものと予想する。

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2009/12/19

外交方針の大転換

政治と宗教の話はなるべく避けているが敢えて書く。

中国の習近平副主席と天皇陛下の面会を巡る問題。そして普天間基地移設に関する日米合意の事実上の白紙撤回。これを、豪腕小沢幹事長の横暴だとか、時間稼ぎの結論先送りだとか批判するのは簡単である。

1カ月ルールなど破っても良いというつもりはない。外交にはルールがつきものであり、例外は新たな例外を招いて収拾がつかなくなる。宮内庁長官は辞表を出してから批判すべきだと幹事長は言ったそうだが、それを言うならルールを変えてから横車を通せということになるだろう。

問題はそんな次元のことではない。この2枚の絵を重ね合わせるとき、わが国外交の基軸が対米重視からアジア重視へと、大きく舵を切りつつある構図が明瞭に浮かび上がるのである。つい先日も鳩山首相は「バリ民主主義フォーラム」なる一見地味な行事のためにわざわざインドネシアまで赴いた。普天間の問題では北朝鮮メディアが珍しく好意的な報道をしたという。

対米関係を最重要視してきたわが国外交の基本方針が、冷戦終結後20年を経てようやく変わろうとしているのならば、それに対する国民的合意あるいは最低限その認識が不可欠であろう。

民主党のマニフェストに「緊密で対等な日米関係」「アジア外交を強化する」と明記されているものの、首相や外相は国民に分かりやすい形できちんと説明する責任がある。マスコミも小沢幹事長と羽毛田長官の対立を面白おかしく報道するだけでなく、その背景にある「大きな絵」を検証して報道すべきだ。

12月18日 休養(忘年会第2弾)
12月19日 ジョグ10キロ

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2009/11/25

コンクリートから木へ

明日26日の朝日新聞朝刊(大阪本社発行)「声」欄に私の投稿が掲載されることになった。たぶんタイトルのような見出しがついているはずである。

投稿規定により重複掲載が禁じられているので、ここで詳細を紹介するわけにいかないが、大意としては「鳩山政権下の公共事業削減で余剰となる土木建設部門の労働力を活用して、自然植生の森林を再生する新しい公共事業を興せば、雇用対策、国土防災、地球環境対策に効果がある」というものである。

「声」欄投稿は、NHKの電波削減問題、高速道路の「上り」「下り」標記問題に続いて、これで3回連続して掲載される運びとなったが、マラソンと違って30回連続などというわけにはいかないだろう。(笑)

11月24日、25日 休養(サウナのみ)

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2009/09/16

祝!財務大臣ご就任

昨年8月にこんな呑気な記事を書いていた頃は、再び財務相に就任されることになるとは、おそらく誰も思っていなかったに違いない。(笑)

9月15日 休養/完全休肝
9月16日 ジョグ10キロ

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