2022/06/09

【ご報告】父・まこてぃんは63年6か月に渡るマラソンを完走しました

 

皆さま

 

いつも当ブログをご愛読頂きありがとうございます。

ブログの運営者・まこてぃんの長男でございます。

 

さて、かねてより癌の闘病生活を送っている旨を本人が当ブログにて報告しておりましたが、

去る6月6日(月)に入院先の病室にて息を引き取りましたことを、ここに謹んでご報告申し上げます。

当日の午後、母が面会に赴いた際はまだブログの更新を再開するためにあれこれと画策していました。

しかしながら母が帰宅直後に病院から連絡があり、戻った際にはすでに永い眠りについておりました。

その顔はどこか走り終えた安堵感をたたえているように見えました。

 

あまりにも急なことで家族の誰も死に目に立ち会うことは出来ませんでしたが、病室の壁に貼ってあった女優Kさんのポスターに見守られて旅立つことが出来たのは幸いなことであったと、家族みな思うところでございます。

 

その後、本人が生前に希望していた通り、親族のみでの静かな葬儀を執り行いました。

葬儀場では父が愛していたマー ラーの楽曲が流れ、とても葬式らしからぬ穏やかな雰囲気でした。

父本人も納棺師の手によって病院着からFRUNの赤いユニフォームに着替えさせてもらい、心なしか微笑んでいるように感じました。

棺には愛用のランニングシューズと福岡国際マラソンのタオル、若き日に指導を授けて下さった音楽家の方々のサイン、女優Kさんのポスターなどを入れました。

 

父は約3年に渡る闘病生活の中でも最期まで好きなことを目一杯に楽しみ、また、遺される我々家族のために出来る限りの備えをしてくれました。

そんな自分の道を真っ直ぐに進む父の背中を、息子として誇らしく思います。

今頃父は元気に走ったり、大好きな音楽を聴いたりと、向こうで趣味を満喫していることでしょう。

走り終えた後にひとっ風呂浴びてビールをごくごくと飲んで至福な顔が目に浮かぶようです。

 

皆さまには生前の父を支えて下さり、本当に感謝の念に堪えません。

父が充実した人生を送ることが出来たのは、ひとえに皆さまとの出会いの賜物だと思います。

家族を代表してここに厚く御礼を申し上げます。

 

本当にありがとうございました。

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2022/06/02

かかりつけ病院に入院

その後、病状が悪化して、食事が喉を通らなくなった。もはや自宅療養は限界と思われ、緩和ケア病棟(ホスピス)に移ることにしたいのだが、すぐに空室が出るわけではなく、ひとまずはかかりつけのD病院に入院し、空室が出るまで待機することにした。ここの病院は医師や看護師が大変親切なので安心しているが、いつ緩和ケアに移れるか定かでないのが不安なところだ。

それと、病棟ではなぜかPCでインターネットが使えないので、ブログの更新やコメントへの返信が出来ない。もしかするとこれが最後の記事になるかもしれないことをお断りしておきたい。ただし、なぜかタブレットでは接続でき、メールやLINEは使えるので、家族とのビデオ通話なども可能ではあるのだけれど。

ということで、読者の皆様にはこれでお別れとなるという可能性が高い。永らくのご愛読ありがとうございました。

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2022/05/24

腹水を抜く

浮腫みがひどくなって腹がパンパンになったので、先週主治医にお願いして腹水を抜いてもらった。先日の輸血と同様、もちろん人生初めての体験だ。

局所麻酔をして針を刺す(穿刺)と、まあ出るわ出るわ、結局3リットルもの黄色く濁った体液が排出された。最近の体重増加から考えると、まだそれと同じ位の量が残っていると思われるが、一度の処置には自ずと限度があるようである。おかげで腹の張りがかなり治まってスッキリしたが、足と脚の浮腫みは相変わらずだ。

主治医からは、もうこの段階に至れば緩和ケアに移行すべきだと言い渡され、早ければ来月早々にも転院することになりそうだ。住み慣れた我が家で過ごせるのもあと2週間ぐらいということで、最後の片づけと大音量で聴きたい音楽の聴き納めを済ませておきたい。

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2022/05/20

葬儀会館を見学

来る日に備えて、近所に出来たばかりの葬儀会館を見学、事前相談に乗ってもらった。何もそこまでと思われるかもしれないけれど、昨年父が死去した際は、父の残したメモがあまりに漠然としていて、結局は葬儀社に言われるままに「世間並み」の葬儀を執り行った。

しかし、実際の参列者は家族親族のみ10名ほどで、もっとフレキシブルに遺族自身が納得するような葬儀も出来たのではないかという思いがずっと残っていた。

自分の場合は寺や僧侶が一切関与しない無宗教式を考えている。予め作成しておいたメッセージビデオを見てもらい、その後は献花と出棺というシンプルな「1日葬」とするつもりだ。有難いお経を聞かされるのも良いのかもしれないが、その内容や意味を分かっている人はどれほどいるのだろう。

料金的には何通りかのパッケージから選択するようになっていて、決して格安と言えるほどではないけれども、明朗会計というのか予めほぼ正確な金額が把握できるのは安心できる。

あとは自分の思ったとおりの内容、進行どおり執り行われるかどうかだが、その現場を自分の目で見られないのが残念である。(笑)

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2022/05/13

抗癌剤治療を終了

ついにその時がやってきた。前回の記事で「当面は今の薬を継続」と書いたが、癌治療の一寸先は闇である。総ビリルビンの数値が反転上昇したうえ、浮腫の症状が進行して下半身から腹回りにかけてパンパンに腫れてしまっている。

一方で肝機能の数値は思わしくなく、これ以上抗癌剤を投与することは意味がないという結論に達したわけだ。

今週、浮腫対策として赤血球輸血を行なうため3日間入院したが、それも即効性のあるものではなく、解消しなければ来週の診察で穿刺して腹水を抜いてもらうことになっている。

並行して緩和ケアへの移行が具体的に視野に入り、紹介状等を送付していつでも転院出来る態勢を整えつつある。まだ肝臓癌そのものの痛みは出ておらず、いつがその時期となるかは見通しが立たないけれど、いざそうなったら残された時間は1、2か月というのが通常だという。

心の準備はとっくに出来ていて、やり残したことはほとんどないと思うけれど、いよいよという段階になってみないと分からないこともあるだろう。

ただ、積極的治療が終わったことで、これまで約3年間ほどんど口にしなかったビールを少量飲むようになり、今のところそれが嬉しくて仕方がない日々である。(笑)

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2022/04/24

当面は今の薬を継続

前回の記事では、今月から次の、そして最後の抗癌剤治療に移行する予定と書いたけれども、しばらくは今の治療を継続することになった。ひとつには、肝機能の検査数値は相変わらず悪化の一途を辿っているものの、そのスピードが加速しているというほどではないこと。もうひとつは、やはり次の抗癌剤がもたらす、劇症肝炎を含む重篤な副作用への懸念である。

主治医としても難しい判断を迫られているようで、相当迷っておられたような様子だったが、さほど強い副作用が出ていない今の治療法が、現時点では最良の対処法であるという結論に達したようである。

一方、肝臓癌の末期には白目が黄色くなるなどの黄疸症状が現れ、そうなるともう治療不可能となって、1、2か月で最期を迎えることになるらしいが、その指標である血液中の総ビリルビンの濃度がむしろ低下(改善)傾向にあり、正常値の範囲まであと一歩というところまで下がっているという嬉しい指摘があった。意外としぶといぞ、俺!(笑)

ただ、これが肝臓癌と直接の関連があるのかどうか不明だが、浮腫(むくみ)の症状が出ていて、両足がパンパンに膨れているため、靴の脱ぎ履きにも一苦労する有様なのと、二度目の手術の際の縫合部から腸が腹膜外に出るヘルニア(脱腸)が起きていて、そのせいでストーマ(人工肛門)の皮膚との接合部が引っ張られ、時に悲鳴を上げたくなるほどの痛みを発生させている。

前者については経口栄養剤の処方を受けて対処中であるが、後者は今さら開腹手術による復旧は不可能で、基本的に我慢するしかないと言われている。癌そのものの進行はある程度抑えられ、食事や日常生活に重大な支障が出ているわけではないが、新たな事態への対応に悩む日々が続きそうだ。

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2022/03/19

来月には次の抗癌剤へ

闘病日記は久々である。

昨年10月から始まった現在の抗癌剤治療も半年を経過した。薬の効果が次第に弱くなる一方で、副作用の方は相変わらずという状況である。昨日の診察の結果、現在の治療は今日からの6回目のサイクルをもって打ち切り、来月中旬からは次の、そして最後の抗癌剤治療に移行することとなった。

主治医の話では、次の薬は副作用が相当強いらしく、手足症候群、高血圧、疲労、下痢、発疹などが主な症状とされ、肝機能障害をもたらすこともあるという。肝臓に転移した癌の治療で肝臓がやられるというのは理不尽に思えるが、癌細胞だけをやっつける薬というものがない以上、それは仕方ないのだろう。

とりわけ、最初1か月ぐらいまでが危ないそうで、出来れば経過観察のために入院するのが望ましいというのだが、あの不自由な生活と食事内容を思い出すと、とても気分が落ち込む。

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2022/02/23

終活を本格化

お気づきの方がおられるかもしれないが、年明けからいわゆる終活を本格化させている。バッハの宗教曲など、これまでなかなか鑑賞に踏み切れなかった音楽や映画にチャレンジし、持ち物の処分をさらに進めているのはその一環である。

しかし、それより実際に最も重要なのは、預金や年金、保険などの資産状況、葬儀をはじめとする諸手続きについて、予め家族に知っておいてもらうことである。エンディングノートというほどのものではないが、それらに関するメモを作成し、目下家内に順次説明しているところだ。

また、これは決して冗談ではなく、葬儀社との打ち合わせには自身で出向きたいと思っているし、これまでご交誼をいただいた人には、出来れば直接会って最後の挨拶をしておきたい。

この映画みたいに最後の贅沢を望む気持ちなど全くない。旅行は昨年の米国で打ち止めにしたし、食べ物や着るものにはほとんど執着しない性分である。強いて言えば、良い音楽を良い音で聴きながら、最後の日々を平穏に過ごしたいと思うぐらいだ。

このブログも近いうちに終了し、そんな生活に移行する時がやってくるだろう。それまでの間、もう暫くの間お付き合いをお願いしたい。

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2021/10/02

新しい薬に移行

3月から投与されてきた薬の効果で、肝臓に転移した癌の進行速度は抑えられているものの、徐々に広がりつつあるのは事実で、肺に転移していることも明らかになった。

連続投薬の目安とされる半年を既に超えていて、副作用である手足の指の痺れが慢性化してきたことから、新しい抗癌剤での治療に切り替えることになった。自分にとっては3種類目となるが、現時点で適用可能な抗癌剤は、今回のを含めてもう2種類しかないという。

いずれも副作用がきついため、途中で治療を断念するケースが多いらしい。ここまで来たら、副作用とトコトン闘う覚悟はあるけれど、日々体力の衰えを実感する局面が増え、どこまで辛抱できるか定かではない。

ところで、今回の薬剤はもちろん保険適用であるけれど大変高価で、薬局で請求された額を見て我が目を疑った。支払いは現金のみで、手持ちでは足りなかったので、近くのATMを検索して走る破目になってしまった。

いまどき現金以外お断りという業種は、調剤薬局ぐらいのものではないか。病院ですらクレジットカードが使える時代に、いつまでも旧態依然とした商売を続けていられるのが不思議だ。(怒)

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2021/08/03

病気の現状

今年3月に抗癌剤が変わって、最初は重い副作用で入院騒ぎになってしまったが、その後は副作用も徐々に軽くなり、肝臓癌の進行をある程度は抑えられている。

ただ、今の薬の効力がいつまでも続くわけではなく、そうなるとまた別の薬を試すことになるけれども、いずれは抗癌剤治療の限界がやってきて、いったん黄疸症状が出始めるともう投薬は不可能になり、緩和ケアに移行することになる。

それは大体いつごろになるのか、先日の診察で主治医に目安を尋ねたところ、「もう年の単位ではなく、月単位で考えて下さい」とのことだった。簡単に言えば「余命1年以内」ということである。問題はあくまで肝臓の癌だけれど、肺にもまだ小さいながら転移が出始めているという。

おおかた覚悟していたとおりで、この期に及んでジタバタするつもりはない。夏の暑さに我慢するのもこれがたぶん最後かと思うと、汗かきで暑がりの自分には有難いぐらいだ。コロナの災禍と五輪の狂騒が同時進行する、異常な最後の夏をせいぜい楽しみたい。

また、1日にはコロナワクチン1回目の接種を受けた。当市では準備に相当手間取っていて、「基礎疾患あり」の優先予約でもようやくこの時期になったのだが、受付や問診で「疾患」についての詳しい確認は求められなかった。自称「基礎疾患あり」でもスルーできてしまうのではないか。

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