2010/07/23

マラソン論~その34(完)

人類が直立歩行を始め、やがて農耕を開始するところから説き起こした(笑)大風呂敷な我がマラソン論も、今回でひとまず終了することにする。

さあ、いよいよレースが始まる。静寂の中、スターターの声が響く。
「10秒前」・・・「位置について」・・・「用意」・・・パン
何回経験しても胸の鼓動が高まる瞬間である。

半年かけて組み立ててきた長大なプログラムを、初めて通しで走らせる「ENTER」キーが、スタートのピストルなのだと思う。設計どおり動いてくれるかどうかは神のみぞ知るところである。

計画どおりに走れたときの高揚感は何物にも換えがたい。そういう時に心に浮かぶのが、ベートーヴェン「第九」の一節である。過去の完走記でも引用してきたが、改めて記して結びの言葉としたい。

  天空の壮大なる計画に従って
  太陽が駆け巡るが如く、朗らかに

  走れ兄弟たちよ、汝らの道を
  英雄が勝利を目指すが如く、喜ばしく

7月22日 ジョグ10キロ
7月23日 ジョグ10キロ

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2010/07/21

マラソン論~その33

注文つながりということで、ジョーさんからシューズやグッズなどについても書くようにリクエストを頂いていた。しかし、ほとんど書くことがないのが実情だ。(苦笑)

シューズに関して言えば、マラソンを始めた当初から一貫してアシックスのターサーを使ってきた。最盛期には同社のソーティマジックを履いたこともある。いずれも店頭に山積みされた型落ちバーゲン品である。

他のメーカーのシューズと比較検討したわけではない。店頭で試してみて、足入れ感が良かったというだけの理由である。前に書いたアシックスのランニング能力測定で、自分の足の形状を詳細に測定してもらったら、意外にも日本人としてごく平均的な形をしていることが分かった。量産品のシューズで何の問題もないということなのだろう。

ウエアはFRUNのランシャツ、ランパンが定番で、ソックスはランナーズの5本指のものを使ってきた。時計はセイコーのスーパーランナーズ。サングラスはスワンの普及品だが、レースではあまり使用しなかった。

身につけるのはそれだけだ。何とかテープとか、何たらリングとかいうものには全く興味がない。心拍計をレース時にも装着する人がいるけれども、センサー入りのバンドが胸を締め付けて不快なので、ATを意識した練習の時だけにしている。

後は・・・何もない。(苦笑)

GPSなども面白そうなのだが、アナログ人間の自分には使いこなせない気がする。何より「そんなもの買うぐらいなら、うちの車にカーナビ付けてよ」と家内に文句を言われること必至である。(苦笑)

7月20日 休養
7月21日 ジョグ10キロ

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2010/07/15

マラソン論~その32

自分の状況を客観的に把握するということ。それは何もレース中だけに限らない。半年にも及ぶ練習の過程全てにおいて同じことが言える。

その時期にどんな練習を予定していて、どれくらい消化できているのか。体調はどうか。体重はコントロールできているか。そうした諸々のことを絶えず自問自答し、予定どおりに進んでいないとしたら、どう修正していくのかを考える。

もし、それが他人から指示されたものであったり、「練習しなければ」という漠然とした思いだったら、苦痛に感じたり挫折したりするだろう。しかし、自ら立てた目標に向かって自らを管理していくのはむしろ楽しく、それがマラソンの醍醐味であるとさえ思う。

マラソンを完走する、さらには記録を目指すという半年間のプロジェクト。その企画から実行、結果の帰属までの全てが、自分ひとりの手に握られているのだ。

こんなことは会社の仕事では絶対に味わうことが出来ない。上司の保身で企画は通らず、取引先の機嫌次第で商談は失敗する。成功しても手柄を横取りする輩がいる。

ちょっと話が逸れた。(笑)

先日、尊敬する某先輩から、このマラソン論の感想をお聞きしたとき、精神的な面についても書いてほしいという注文があった。これがその答えになっているかどうか分からない。しかし、練習を含めた全てのプロセスを楽しんでやることが、時に苦しい練習もこなして継続していく秘訣ではないかと思う。

単なる根性論ではマラソンは走れないし、楽しめないと思うのである。

7月14日 ジョグ10キロ
7月15日 休養

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2010/07/13

マラソン論~その31

レースの組み立てといっても、それほど大層なことではない。ここまでの練習の仕上がり具合によって目標タイムを設定し、それに向けてのペース配分を行うということである。以下はあくまで例示である。

仮に3時間を切るという目標を設定したとする。キロ4分16秒ペースだと2秒オーバーし、4分15秒だと40秒の余裕がある。目安としては15秒刻みの方が分かりよいので、キロ4分15秒に決めたとする。5キロ21分15秒である。

これを基にした5キロごとのラップタイムを腕にボールペンで書いておく。汗や雨では流れないが、レース後に石鹸で洗うときれいに落ちる。この設定どおり走れれば理想的なのだろうが、自己ベストを目指すようなレースでは終盤で若干ペースが落ちるのが自然なので、そのことを予め織り込んでおくのだ。

私の場合は35キロを分岐点として、そこからキロ5秒とか10秒落ちることを想定し、それまでにどれだけの貯金を作っておくべきかを考えた。キロ10秒落ちるとすればフィニッシュまで10秒×7.195キロ=72秒の遅れとなる。つまり、35キロ地点で72秒の貯金があれば最後はトントンということになる。そのためには、そこまでを72秒÷35キロ=約2秒/キロだけ速いペースで走るということになる。

もちろん、現実にはそんな計算どおりには行かない。2秒どころか5秒10秒速く突っ込んでしまい、終盤で20秒30秒落ちたりするのはザラである。体調や天候にも左右される。←の完走記集はそうした計算違いの連続である。

それでも、こうしたレースの組み立てをして、目安時間を決めておくことには意味があると思う。自ら立てた目標との乖離をリアルタイムに知ることができ、レース中の自分の状況を客観的に把握できるということだ。

この最後の点について、次回もう少し書いてみる。

7月12日 ジョグ10キロ
7月13日 ジョグ10キロ

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2010/07/09

マラソン論~その30

いよいよレース当日である。前夜に十分睡眠を取ることは言うまでもないだろう。私はあまり経験がないが、気持ちが高ぶってよく眠れないという人もいるかもしれない。それでも、横になって目を瞑っているだけでも体は休まるので何も焦ることはない。

ところで、当日の朝はどう過ごすか。朝食ではご飯をお代わりし、さらにお餅やカステラ、ドラ焼きなどで糖質を補い、レース直前はうっすら汗をかく程度のジョグや短いダッシュでウォーミングアップする。そういうパターンのランナーが多いようだが、あまり感心できない。

カーボローディングで肝臓や筋肉に蓄えられるグリコーゲンは約3日間で飽和するとされ、木曜から土曜の高炭水化物食で蓄積は既に完了している。当日は蓄積されたグリコーゲンや脂肪を分解・燃焼させてエネルギーに変えなければならないのに、その逆方向の反応を強めるような食事を摂るのはナンセンスである。高脂肪・高蛋白質食が理想だが、消化吸収が良くないので、ごく普通の朝食で良いと思う。ご飯は軽く1杯にしておく。

レース直前までのグリコーゲン温存については前回も書いた。不必要なウォーミングアップで折角溜め込んだグリコーゲンを浪費する愚については、リディアードも戒めているところだ。

短距離や中距離ならともかく、せいぜいAT近辺の負荷のマラソンで、ウォーミングアップがそれほど重要とは思わない。私は心身にスイッチを入れるぐらいの意味でトラックを2周、最後に少し流しを入れる程度にしていた。トップランナーの多くは毛布にくるまったまま音楽でも聴いてじっとしているのだそうだ。

次回はレースの組み立てについて。

7月8日 ジョグ10キロ
7月9日 休養

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2010/07/07

マラソン論~その29

さて、レース1週前の週末に10キロレースペース走を終えたら、後はもうきつい練習は行わずに疲れを抜くと同時に、体内にグリコーゲンを溜め込むことに専念する。いわゆるカーボローディングと呼ばれるものである。

いろいろと試してみたが、私が最終的に行ったのは田中宏暁先生の本を参考にした、次のようなパターンである。

月、火  ジョグ5キロ
水    ビルドアップ10キロ+ジョグ10キロ
木~土 完全休養

食事は月~水が低炭水化物食、木~土が高炭水化物食

これにより水曜までに体内のグリコーゲンを一旦枯渇させ、体がグリコーゲンを蓄えようとする反応を強めたところに、木曜から炭水化物を集中的に摂取することによって、通常以上のグリコーゲンを蓄積するというものである。

それと同時に水分も蓄積されるので、体重が2キロほど増えれば成功ということになる。3日間で脂肪が2キロもつくことはありえないのでご安心を。

木曜以降はひたすらグリコーゲン温存に努めるのみである。走るどころか、普段は階段を上がるところもエスカレータやエレベータを使う。前日も全く走らないで大丈夫である。

ということで、次回はいよいよレース当日を迎える。

7月6日 ジョグ10キロ
7月7日 ジョグ10キロ

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2010/06/29

マラソン論~その28

練習論に戻ろう。レースペース走のサイクルを終え、節制によって体も絞れてきたら、いよいよ最後の調整期間に入る。

3回目の4週サイクルの最終週で疲れを抜いた後は、これまでのサイクルでは距離を積み上げていったのと逆に、1週目の最初に20キロペース走、2週目の最初に10キロペース走と、練習量を落としていく。あえて余力を残すことで、レースに向けて体調が上向いていくように仕向けるのである。平日はビルドアップなどで適度に刺激を入れる他はジョグでつなぐ程度で構わない。

この時期、何よりも怖いのが怪我と風邪である。これまでの努力が水の泡になりかねず、体調管理には万全を期す必要がある。練習時はもちろん、普段の生活でも階段の上り下りなど細心の注意を払う。電車の駆け込み乗車などもってのほかである。

体重を限界まで落とすと体の免疫力も低下する。外出から帰ったら手洗い、うがいを十分に行い、しっかり睡眠を取るようにする。できればインフルエンザのワクチンを接種してもらった方が良いだろう。

次回はレース直前1週間の過ごし方について。

6月28日 ジョグ10キロ/完全休肝
6月29日 ジョグ10キロ/完全休肝

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2010/06/25

マラソン論~その27

ローカーボと並ぶ減量の決め手はアルコールである。アルコールそのものより、つまみを食べるから太るのだという説があるが、アルコール自体のカロリーはやはり無視できないと思う。

アルコール1g当たり約7キロカロリー。その一部は体温上昇で発散されるらしいが、大半は体内にとどまることになる。特に糖質が含まれる醸造酒には、アルコール以外のカロリーも含まれるので要注意である。

ところで、私を含め市民ランナーはたいてい酒好きである。美味いビールを飲むために走っているという人も少なくない。夏のLSDの後でビアガーデンに繰り出すのは無上の愉しみである。

しかし、特に記録を狙って走るランナーの中には、レースに向けて徐々に飲酒量をコントロールし、最後は願掛けの意味もこめて禁酒する人も多い。私の場合、最盛期にはレース前1か月間禁酒していた。

禁酒によって体が絞れてきて、内臓疲労も取れる。心身ともにスッキリした状態で臨戦態勢に入っていることが実感できるのである。夕食後の時間を有効に利用できるというメリットもある。それなら、レース後も続ければよいのだけれど。(苦笑)

6月24日 ジョグ10キロ
6月25日 ジョグ10キロ

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2010/06/23

マラソン論~その26

食事の話題のついでにサプリメントのことについて少し書いておく。

必要な栄養素は基本的に三度の食事から摂るべきであり、サプリメントは文字通りそれを「補う」ものでしかない。好き嫌いなくバランスよく食べられていれば、サプリメントは特に必要なく、体質や生活習慣などによる特別なニーズに対して、最小限のもので補完する程度で良いと思う。

私の場合は食物繊維と鉄分をサプリメントで補うようにしている。

食物繊維は現代人の食生活に不足しがちであり、食事に追加してやることでお通じの改善とともに、食事による血糖値上昇を緩やかにする効果があるとされる。私はこの商品を毎朝、コーヒーに入れて飲んでいる。

鉄分補給はランナーの宿命ともいうべき貧血対策である。ほうれん草や貝類をなるべく摂るようにしているし、昔は苦手だったニラレバも食べられるようになったが、ニラレバ+ビールというのは尿酸値を上げる最悪のコンビらしいので、私はこの錠剤を毎日服用している。「思春期のお嬢様」でなくても服んでいいのである。(笑)

6月22日 休養
6月23日 ジョグ10キロ

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2010/06/21

マラソン論~その25

炭水化物を減らした食事(ローカーボ食)とは、主食(ご飯、パン、麺類)を極力摂らない、肉、野菜のおかず中心の食事である。家で食べる場合は問題ないが、外食する場合は若干工夫が必要である。

一番良いのは、好きなおかずを自由に選んで取れる形式の食堂(「ザ・めしや」など)である。揚げ物は避け、和食メニュー主体に選べば理想的である。具体的にどういう食材が良いかは、前回紹介したサイトを参照してほしい。

社員食堂でも最近は同じような方式となっているところが多い。カロリー表示まで書いてあるところもある。私の今の職場は食堂はなく、業者から仕出し弁当を取っているが、「おかずのみ」という注文が可能である。ご飯付きより100円安いので小遣いも助かる。(笑)

近隣にそういう施設がないと困ってしまう。一度、仕方なく回転寿司のチェーン店に入って、ネタだけ食べてシャリを全部残したことがある。よせばいいのにブログで話題にしたら大顰蹙を買ってしまった。(苦笑)

よく行く「餃子の王将」では、一品料理+餃子(+ビール)というパターンである。「まこてぃんは餃子の皮を残して具だけ食べている」という噂があるようだが、根も葉もない一種の都市伝説であることをお断りしておく。

6月20日、21日 休養(風邪のため)

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