ネルソンス&VPOのベートーヴェン交響曲全集
ベートーヴェン生誕250年を記念して、アンドリス・ネルソンスが2017年から19年にかけてウィーンフィルを指揮した交響曲全集を聴いた。最近までその存在を知らなかったCDだが、彼の誕生日が自分と同じことが分かってから何となく親近感が湧いていた。(笑)
一言で感想を言えば、大変メリハリの効いた、清新にして味わい深いベートーヴェンである。アレグロ楽章はまさに「コン・ブリオ」の快活この上ない音楽で、聴いていて爽快感が味わえる一方、緩徐楽章では一転してゆったりとしたテンポと穏やかな表情づけが印象的だ。
とりわけて第6番「田園」が素晴らしく、これぞウィーンフィルというローカル色豊かな響きを引き出していた。愛聴盤であるイッセルシュテット盤以来、ついぞ耳にする機会がなかった音である。
録音もライヴとは思えないほど優秀で、ウィーンフィルのベートーヴェンとして、イッセルシュテットによる全集盤、クライバーによる第5、7番以来の出色の出来ではないかと思う。
ネルソンスはゲヴァントハウス管と組んだブルックナーの交響曲全曲も録音していて、そちらにも食指が動きかけている。ああ、時間がいくらあっても足りない。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント