『ひまわり』
1970年、伊。ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニほか。アマゾンの紹介文。
ナポリで幸せな結婚式を挙げたジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)。だがアントニオは厳冬のソ連戦線に送られ、行方不明になってしまう。戦後、復員兵から夫の情報を集め、ひとりモスクワを訪ねるジョヴァンナ。だが、そこで見たものは、アントニオの新しい妻と可愛い娘の姿だった……!(引用終わり)
映画ネタは久々だ。映画史に残る名作とされ、有名なひまわり畑のシーンがウクライナ南部で撮影されたとあって、最近またリバイバル上映されるなど話題になっているので観てみた。
戦争によって引き裂かれた夫婦の運命を描き、ヘンリー・マンシーニの切ないテーマ曲が全篇を彩るが、ストーリー展開にやや無理があるのが気になった。
駅で偶然会った復員兵がアントニオと同じ部隊に所属していたり、ツテもなくモスクワを訪れたジョヴァンナがソ連政府の役人の案内でウクライナを訪れたり、行き当たりばったりでアントニオたちの暮らす家に行きついたり。脚本構成上必要な設定であるとはいえ、偶然にしては出来過ぎの感が強い。
ただ、鉄道ファンの一人としては、列車や駅がこの映画で重要な役割を担っているところが興味深かった。アントニオの出征シーン。ウクライナを訪れたジョヴァンナが列車の車窓から見る広大なひまわり畑。モスクワでついにアントニオに再会したものの耐えきれず、動き出した列車に飛び乗るジョヴァンナ。遠路イタリアまでジョヴァンナに会いに行ったアントニオが、諦めてソ連に帰ろうとしたら鉄道ストで足止めを食ったことから変わる展開。そして、出征時と同じ駅でのラストの別離シーンと、本作の要所要所で鉄道や駅が絡んでいるのだ。
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コメント
お久しぶりです。
今回のウクライナ戦争で私も映画「ひまわり」を思い浮かべました。話は戦争で引き裂かれた若い夫婦のよくある悲劇だったと記憶していますが地平線まで果てしなく続くひまわり畑の強烈な映像に地球上にこんな場所があるのかと感動しました。ウクライナ国旗の黄色はひまわりの色と最近まで思い込んでいましたが小麦の色と聞き驚きです。
投稿: ブッちゃん(田渕) | 2022/04/05 20:22
ブッちゃん
久々のコメント、有難うございます。
ひまわりは食用油を取るために栽培され、
ウクライナはロシアと共に世界の2大生産地のようです。
ということは、それぞれ戦禍と経済制裁のため、
今後、世界的な供給が激減する恐れがあります。
この戦争の影響は予想外に広範囲に及ぶ
可能性があると考える必要がありますね。
投稿: まこてぃん | 2022/04/06 21:22