米国旅行記 その7
13日土曜日。クリーヴランドの気温は4、5度といったところか。外出が億劫になる寒さである。さらには前日の疲れで寝坊してしまい、朝食会場に終了時刻ギリギリに駆け込む始末だったので、午後からゆっくり外出することにする。
この日のお目当ての一つは、クリーヴランド管弦楽団を世界有数の楽団に育て上げた名指揮者、ジョージ・セルが当時住んでいた家を訪ねる(といっても、現在も人が住んでいるので外から眺めるだけだが)ことである。
グリーン・ラインという路面電車で約20分、最寄りの停留所から歩くこと数分。Larchmere Boulevard という美しい通りに面した高級住宅街の一角にその家はあった。
以前読んだ A Life of Music (by Michael Charry)にこんな記述が出てくる。
(1951年)5月末、セル夫妻は彼らのクリーヴランド時代の終わりまで住み続けることになる家を購入した。シェーカー・ハイツのラーチミア通りに面した、レンガと石造りのイングランド様式による14室の家だった。寝室4つ、バスルーム2つ、書斎と2台用の車庫を備えたこの家にセル夫妻が支払った金額は、3万6千ドルから4万2千ドルの間であった。(まこてぃん試訳)
その家は70年以上を経た今も健在で、暖かそうな部屋には感謝祭の飾りつけらしいものが窺えた。
近所の別の家の庭先に鹿の姿を見かけた。てっきり飾り物かと思って近づいてみたら何と本物だった。近隣には荒らされる畑もなく、芝刈りをしてくれる鹿と住民とは、ある種の共存共栄関係なのかもしれない。
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コメント
これはセルファンには貴重な写真ですね。
アメリカ入国まで、かなり大変だったようですが、今後の旅行記、楽しみにしています。
投稿: frun 高橋 | 2021/12/14 06:34
frun 高橋さん
Larchmere Blvd. George Szell で
検索すれば番地まで分かるし、
ストビューで見ることも可能ですが、
町の雰囲気やその場の空気感といったものは
やはり現地に行かないと体感できませんでした。
で、ここまでは良かったのですが…
投稿: まこてぃん | 2021/12/14 18:21