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2021/12/25

『ラブ・アクチュアリー』

Actually2003年、英、米。リチャード・カーティス脚本、監督。ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン他。KINENOTE の紹介文。

12月のロンドン、人々は幸せなクリスマスを迎えようと、ささやかな夢を胸に毎日を過ごしていた。秘書に恋をした英国首相、義理の息子との関係に悩む父親、ポルトガル人のメイドと恋に落ちる小説家、夫の浮気に気付き、悶々とした日々を過ごす熟年の主婦、親友の恋人に思いをよせる新進画家、新曲のクリスマスソングに起死回生を賭ける元ロックスター——。クリスマスに人生のクライマックスを迎えることを、誰もが願っていた。そしてイブの夜、全てのドラマが、ハッピーエンドに向かって動き始めた。様々な人々の「愛」についての物語。(引用終わり)

映画ネタは久々だ。『ノッティング・ヒルの恋人』の脚本を書いたリチャード・カーティスの初監督作品である。初めてだけに撮影の勘所が十分掴み切れなかったのか、出来上がったフィルムは3時間半もあったそうで、これを80分もカットしないといけないのかと、監督自身頭を抱えたと特典映像で明かしている。(笑)

それぞれの事情を抱えた9組(片思い、三角関係を含む)が繰り広げる多彩なドラマが、クリスマスの5週前から同時進行する「グランドホテル形式」の作品。主要登場人物だけでも19名。冒頭に挙げた名優3人ですらとりわけて登場シーンが多いわけではないが、短時間のエピソードの中でもそれぞれに味のある演技を見せている(特に、我らがミスター・ビーンことローワン・アトキンソン!)。

事前にストーリーを読んだが、複雑な人間関係に頭がついていけず、ネットに出ていた人物相関図を参考に予習してから鑑賞したのは正解だった。結末については詳細に書けないけれど、どのカップルも概ねハッピーエンドでクリスマスを迎えることになるのは、ほぼ予想どおり。この季節にピッタリのハートウォーミングなラブコメディの佳作と言えよう。

ところで、『ノッティング…』で登場した日本ネタは本作でも健在で、ひとつはマークの画廊で開催された「ハダカのクリスマス」と題する個展の作者が Yushio Mahoto と日本風の名前(わざと間違えている?)になっている。もうひとつは英国首相がご機嫌で一人ダンスに興じているところをスタッフに見つかってしまった際に、「日本大使とのアポは4時に」と、さもどうでもよいことのように指示するシーンがある。監督自身の日本観の一端が窺えるようで興味深い。

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