『ミスター・ビーン』Vol.1,2,3
『イエスタデイ』の脚本家リチャード・カーティス繋がりで観てみた。以前にNHKが深夜時間帯に放送していたのを断片的に観た記憶はあるが、これはたぶん同シリーズの総集篇のようなものだろう。というのも、一時世界的な人気を博した『ミスター・ビーン』だけれど、実はTVの30分番組が14本と、劇場版が2本、これらがその全てなのである。
いい歳をした中年男のビーンが行く先々で子供めいた悪戯を繰り返し、大抵の場合自分自身がそのトバッチリを受けて散々な目に遭うのに、性懲りもなくそれを繰り返すコントは、全く肩の凝らない娯楽として気楽に楽しめる。しかし、中には視覚障碍者ネタや、王室を侮辱したと取られかねない相当際どいものもあり、英国らしい風刺、ブラックユーモアの伝統を感じさせる。
英国の伝統ということでは、シェイクスピア以来の芝居、道化の伝統や、チャップリンの影響を色濃く感じさせるし、一方ではアメリカのシチュエーション・コメディ(シットコム)の要素も窺える。
ところで、主演のローワン・アトキンソンとリチャード・カーティスはオックスフォード大学の同窓で、在学中から演劇活動を共にしていたことが、メイキング映像の中で紹介されている。荒唐無稽なコントのように見える『ミスター・ビーン』だが、実は綿密な台本を製作し、細部の演出にもこだわっていて、アドリブは一切ないということだった。さすがはオックスフォードというか、人気の秘密はそんなところにもあることが了解できた。
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