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2021/09/26

ヴェーグのモーツァルト「セレナード&ディヴェルティメント集」

Vegh

これもアンドラーシュ・シフつながり。モーツァルトのピアノ協奏曲全集でシフと組んで素晴らしい演奏をしていたシャーンドル・ヴェーグとその手兵、カメラータ・アカデミカによるモーツァルトのセレナード、ディヴェルティメントなどを集めたアルバムである。

CD10枚からなるボックスセットで、全33タイトルに及ぶ曲目等の詳細はこちらを。それでもグラン・パルティータ・セレナード(13管楽器)や、ポストホルン・セレナードなど、結構有名な曲が収録されていないのは、ヴェーグの体力が続かなかったのか、それとも楽器や編成の特殊さゆえだろうか。

元々が貴族の娯楽のための音楽であり、高級BGMとして流し聴きするつもりだったけれど、どうしてどうして。いわゆる「機会音楽」ではあるものの、モーツァルトは決して手を抜いたり、書き飛ばしたりしていない。まさに「どこを切ってもモーツァルト」という音楽なのである。

何よりも、ヴェーグがその音楽と正面から向き合い、誠実かつ愛情を籠めて演奏しているのが如実に伝わってくる。興が乗ったのだろう、外したメガネを指揮棒代わりに振っている(?)ジャケット写真からもそのことが窺える。

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