クラリネットを売却
「その時」に向けた身辺整理を進めつつあるが、まず優先順位が高いのは本人でないと処分方法が分からないものだ。特に趣味で使っていた道具類や収集したコレクションなどは、そのままゴミに出して良いものか、売却するとしてもどの業者に依頼するかなど、遺族が判断に苦しむ場合が多いだろう。
今回売却した楽器などはその最たるものだ。もう40年も前の大学オケ当時使っていたもので、卒業後も短期間在籍したアマチュアオケや、ミュージック・マイナスワンのCD(楽器版のカラオケみたいなもの)で遊んだりすることはあったものの、最近はもうケースにしまったきりになっていた。
たまに取り出しても息が続かず、本格的にやろうとすれば相当の練習時間を要する。不治の病に侵された身となっては、もう手離しておいた方が良いと判断した。金属のキーが多数ついているので、棺桶に入れることも出来ない。気になって調べてみたら、うちの市では「不燃ごみ」の扱いらしいが、収集場所に楽器が置かれている風景を想像すると相当シュールだ。(笑)
引き取り先は学生当時からお世話になっていた大阪心斎橋のK楽器である。先日バレンボイムのリサイタルで大阪に出かけたついでに立ち寄ることにした。ほとんど骨董品のような古い楽器なので、果たして値段がつくかどうか不安だったが、そこは腐ってもビュッフェ・クランポン。楽器の保存状態も良好と評価してくれて、予想していた倍以上の値段で買い取ってくれた。
今ごろは掘出し物の中古品として店頭の片隅に並んでいるだろうか。お金に余裕のない音大生などの手に渡って、大事に使い続けてもらえるなら、楽器にとってはケースで眠り続けているよりも幸せに違いない。
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コメント
長年愛用してきた楽器を手放すのは切ないですね。驚いたのはクランポンでも40年前のものが予想以上の額で買い取ってくれたことです。管楽器は弦と違って、消耗品的な要素も強いわけで、単に保存状態が極めて良好以外にもいい要素があったかもしれませんね。「復活」を奏でた時のクラですか?だとしたら、まさに新天地でその名のごとく・・・。
投稿: frun 高橋 | 2021/06/18 14:30
おひさしぶりです まこてぃんさんは高尚な趣味の品々だからいいですね~ 私はガラクタばかりで 処分をいいわたされています。
投稿: たけした | 2021/06/18 16:58
frun 高橋さん
現役当時はそれこそ分身みたいな存在だったので
身体の一部が捥がれたような感覚がありました。
原則、店では購入者に対する下取りサービスのみで
単独での買取はしないとのことでしたが、
クランポンのR13モデルだけは別格のようです。
「復活」以外にも「悲愴」「ドヴォコン」「英雄」など、
入団から卒業まで全てこの楽器で演奏してきました。
たけしたさん
お久しぶりです。
高尚かどうかは分かりませんが、いずれにせよ
その趣味を持たない人には無価値に違いありません。
CDやLPは直前まで聴くと思うので、
処分(ほぼゴミ)を頼むのが今から気が重いです。
投稿: まこてぃん | 2021/06/19 08:57