終焉の場所
お隣のT町にある緩和ケアホームを見学してきた。医師が治癒が見込めないと判断した癌などの患者を対象に、「その人らしく、尊厳をもって、有意義に過ごすことができるよう援助」することを目的とした施設である。
具体的には、「癌自体に対する手術や、苦痛・副作用を伴う治療はしないが、苦痛を緩和する治療は積極的に行う」とともに、「精神的な苦痛、孤独、不安などを軽減して、安らぎのある時間を過ごせるよう、医師や看護師、ソーシャルワーカーなどのチームが患者と家族を支える」というものである。
病院内の一部門でありながら病室はすべて個室で、「明るく、広く、静かで、ぬくもりのある療養環境となるよう工夫」されている。共用スペースには半屋外のテラスガーデン、天井が高く陽光降り注ぐリビングルーム、瞑想室やガゼボまで備えていて、病院の病棟というよりも、ちょっと高級な有料老人ホームに近い。
延命のための無駄な治療は行わず、出来るだけ苦しみの少ない、枯れるような最期を迎えるのは自分の希望であるし、こうした恵まれた環境の中で静かにその時を迎えるのは理想的ではないかと思う。
おそらく、自分の終焉の場所はここになるだろう。2年前の手術以来、予想外の事態の連続だったが、最後ぐらいは自分の希望どおり終えたいものだ。
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