死後の手続き(前半)
家族が亡くなり、葬儀が済むと同時に始まるのが、各種の手続きである。最近『死後の手続き』などと題する週刊誌の別冊が発刊されていて、「これさえあれば万全」「もしものときに備えておきたい完全版!」などという宣伝文句が踊る。自分も少し前に『おとなの週刊現代』なる冊子を買い求めて万一の場合に備えていたが、実際に必要に迫られてみると、「やらなければならないことのリスト」程度の役にしか立たなかった。
保険や年金は加入していた制度によって手続きはマチマチだし、「これさえあれば万全」などという公式は存在しない。生命保険を例にとっても、父が加入していた2社ですら、片方は戸籍謄本や保険証券原本の送付を要求されたのに、もう1社はそれらについては全く不要であった。基本的に、まずは相手先に電話するなり出向くなりして、必要な手続きと書類を尋ねるのが一番確実なようである。
まず急ぐ必要があるのは健康保険、介護保険、国民年金の死亡届等であるが、前二者は市役所に行けば丁寧に説明してもらえたし、一見難しそうな国民年金も、年金事務所に直接電話してみたら、「この電話で死亡の事実は把握したので、あとはこれこれの書類を取寄せた上で後日来所してもらい、詳細を説明します」という親切な対応だった。
各種公共料金の名義や振替口座の変更についても、各社局によって手続きはマチマチだが、電話連絡すると変更届が送られてきて、それに必要事項を記入して返送すればOKというのが多い。
ただ、その範疇を大いに逸脱しているのがNTTの固定電話である。たかが電話の名義変更に何と戸籍謄本まで要求されるのだ。しかも、振替口座の変更はまた別途手続きが必要というのである。相も変わらぬ殿様商法に改めて呆れ返った。
後半は最後にして最大の難関となる、相続と登記の手続きについて書くことにしよう。
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