『日本沈没』
2006年、製作委員会。草彅剛、柴咲コウ、豊川悦司他。アマゾンの紹介文。
潜水艇「わだつみ6500」のパイロットの小野寺は、同僚の結城とともに深海調査に乗り出していた。そこでふたりは驚愕の事実を発見する。このままいくと海底プレートの沈降で、日本列島が海に沈んでしまうことがわかったのだ。日本の危機が目前だと、ふたりを指揮していた地球科学博士の田所はほかの科学者や日本政府にSOSを出す。しかし、地殻変動は起き、火山は噴火、大地震が起こり、国民はパニックに陥る。(引用終わり)
小松左京つながりで観てみた。1973年に映画化されて以来、33年ぶりにリメイクされた作品。未見の73年作品と内容はかなり違うようであるが、それだけ原作が多様な要素を含んだ、スケールの大きな作品であるということだろう。
本作ではSF、パニック、ラブロマンス、サスペンスなどの要素を適宜盛り込み、特撮とVFXを駆使した迫力ある映像とともに、さほど肩の凝らない娯楽作品になっていると思う。ツッコミどころは数多いが、それをいちいちあげつらうより、ひとつでも心に残るシーンがあれば観た甲斐はあるというもの。
大地真央演じる危機管理担当大臣が陣頭に立って大活躍、ラスト近くで国民に対する政府声明を肉声で発するシーンは胸に迫った。木で鼻を括った官僚作文を俯いて読むだけの総理大臣や、女性の活躍に対する理解を全く欠いた元総理にこそ、このメッセージを聞いてもらいたいものだ。
2月12日 ジョグ4キロ
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コメント
1974年の映画は観ましたが印象薄いです。歌手のいしだあゆみさんがヒロイン役で出演、地球物理学者の竹内均氏がカメオ出演していた事くらいしか覚えていません。今では当たり前のプレート理論をベースに日本列島が近未来に沈没するとの内容でしたがSF小説にしてもやや走りすぎ「ホンマかいな~!」と思っていました。
原作では国土を失い難民として世界を流浪する日本民族がどうアイデンティティーを維持しどう生きていくかを強く問うていたと思います。当時小生は社会人1年目。バブルの終焉、オイルショックと何やら不安な世相が漂い始めた頃です。小説内では成田に空港が完成し神戸沖に新空港が完成していましたが経済成長は停滞、人口は減少に転じていました。 現在2021年 経済は停滞、人口は減少、列島は沈没しませんが日本が沈下しているような・・・。
投稿: ブッちゃん | 2021/02/18 12:20
ブッちゃん
原作はただのSF小説ではなく、
国民や国家の危機に対してどう対処すべきかという、
現代にも通じる課題を突きつけた作品とされていて、
73年版の映画もその色彩が強いと評価されています。
原作はともかく73年版は近いうちに観てみます。
投稿: まこてぃん | 2021/02/19 17:02