『日本沈没』
1973年、東宝。藤岡弘、小林桂樹、丹波哲郎ほか。映画ドットコムの紹介文。
小笠原諸島のとある島が突如として姿を消した。小野寺の操縦する潜水艇に乗って調査に向かった田所博士は、海底に重大な異変が起きているのを発見し、近いうちに日本が海底に沈むという恐るべき予測にたどり着く。やがて、日本各地で大地震や火山の噴火が起こりはじめ……。(引用終わり)
2006年版に続き、1973年版を観てみた。確かに全体的なタッチはかなり異なり、あえて単純化して言えば、前者はエンターテインメント、後者は社会派SFとでも言うべきだろうか。
特に、本作の前半では海底の異変を察知した科学者たちの分析や、遠からずやってくる危機への政府の対応などが淡々と描かれるが、驚天動地のパニック映画を期待した観客からすれば若干間延びした感じすら与えるだろう。
後半はさすがにゴジラを生んだ東宝ならではの特撮映像がこれでもかと登場。50年近く経った今でも劇場の大スクリーンで観れば相当な迫力だろう。その映像が雄弁に物語る「日本沈没」という事態に、政府も国民もなすすべなく呑み込まれていく様子が大変リアルで、SFの世界だけの絵空事として客観的に観ることが出来なかった。
俳優陣では、小野寺役を演じた(まだ「、」のつかない)藤岡弘がとてもエネルギッシュである。いしだあゆみとの控えめなラブシーンは当時話題になったことだろう。田所博士役の小林桂樹、山本総理役の丹波哲郎はいずれも当時50歳前後、脂の乗った演技はさすがである。
また、東大地球物理学の竹内均教授が本人役で登場、かなりの尺を使って地球内部の構造や地殻変動の仕組みを解説するシーンがあり、これが大変分かりやすいと評判になったそうだ。ちなみに原作者の小松左京も、資料を届けに来た社員役でカメオ出演している。
2月25日 ジョグ4キロ
月間走行 8キロ
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