『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』
2020年、製作委員会。綾野剛、北川景子ほか。公式サイトの紹介文。
「苦しむことなく殺してさしあげます。」ある闇サイトで依頼を受け、人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。その人物の存在が明らかになったのは、「お父さんが殺された。」という少年からの通報がきっかけだった。警視庁捜査一課のNo.1コンビ犬養(綾野剛)と高千穂(北川景子)は、さっそく捜査を開始。すると似たような事件が次々と浮上する。捜査チームのリーダー麻生(石黒賢)、新米刑事の沢田(岡田健史)、室岡(前野朋哉)、青木(青山美郷)と共に事件の解明を急ぐが、被害者遺族たちの証言は、どれも犯人を擁護するものばかりだった。ドクター・デスは本当に猟奇殺人犯なのか? それとも救いの神なのか? そして、驚愕の事実と更なる悲劇が犬養と高千穂に降りかかる。(引用終わり)
つい最近、京都でALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者を安楽死させたとして医師2人が逮捕される事件が起きた。亡くなられた患者や家族への配慮からだろう、この映画の公開に合わせて事件が言及されることはないようだけれど、あまりの偶然に驚かざるをえない。
中山七里の原作は既に読んでいたので、真犯人や事件の全容を把握した上での鑑賞となったが、スピード感溢れるクライム・サスペンス映画として、最後まで飽きさせない作品に仕上がっていると思う。男女の変則的バディものという原作の設定をうまく利用していて、綾野剛と北川景子が息のあった共演ぶりを見せていた。
ただ、原作では安楽死問題の本質的な部分について、より掘り下げた記述があったと記憶するが、さすがに映像作品でそこにどこまで踏み込むかは難しく、本作ではその部分に関しては不十分と言えば言える。しかし、それはあくまで原作との対比においてであり、中途半端な問題提起に止まるぐらいなら、映画としては基本的にサスペンスものとして割り切ってしまった方が良いとの判断があったのではないか。
さて、明日から日光・中禅寺湖方面に Go To してくるので、次回更新までしばしお待ちを。
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