北海道の旅 その4 札幌交響楽団定期演奏会
25日夜は札幌交響楽団第630回定期演奏会を聴いた。同楽団の定演は1月31日、2月1日の第626回以来、約8か月ぶりという。指揮者や曲目も当初予定から変更され、客席は1席おきの半数のみ、さらに入場時は検温と手指消毒を行うなど感染対策が取られた中での開催である。通常は開演前に行われるというロビーコンサートも中止となった。
曲目はシューベルトの「ロザムンデ」序曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番、ストラヴィンスキーの「管楽器のための協奏曲」、最後に再びシューベルトの交響曲第5番。指揮は広上淳一、ピアノ独奏は伊藤恵である。
札響、Kitara とも初めてだったが、小編成のプログラムもあってか、当地の爽やかな気候を思わせるような、明快で抜けの良い響きを楽しむことが出来た。特に交響曲では弦をはじめとしてよく歌うフレージングによって、シューベルト独特の音楽世界を構築していた。
ただ、最初の序曲などでは弦楽器の鳴りが十全でないと感じられたのが残念だった。前から4列目のほぼ右端という座席のせいもあるが、とりわけ第1、第2ヴァイオリンが物理的な距離以上に遠く感じられた。
勝手な想像だが、ここ数か月の間、個人練習は怠らないにしても、おそらくパート練習すらままならない状況が続き、揃って弾くのが久々ということがあったのではないか。弦楽器のことはよく分からないが、弓づかいとか、ヴィブラートのタイミングなど、細かいところで微妙にズレるというのは考えられる。
ピアノの伊藤恵はさすがにヴェテランらしい熟達した演奏で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中では最も地味なこの曲を面白く聴かせることに成功していた。鳴りやまぬ拍手に応えたアンコールは、まさかの「エリーゼのために」。プロオケの定期演奏会で聴くことはまずないが、一流のピアニストが弾くとさすがに違うものだと感心させられた。
10月7日 ジョグ4キロ
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