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2020/09/21

歌劇「イオランタ」

Iolantaチャイコフスキー最後のオペラだが上演機会は少ないようで、今回鑑賞した2015年のメトロポリタンオペラ公演は何とMET初演だったという。所要時間が半端なことがネックになっていて、1892年の初演時はバレエ「くるみ割り人形」との2本立て、このMET公演も前に書いた「青ひげ公の城」との2本立てである。ライブビューイングの紹介文。

15世紀、南フランスの山中。プロヴァンスのレネ王は、王女イオランタが生まれながらの盲目であることを悲しみ、目が見えないことが彼女に分からないように山中の秘密の城で育てていた。頼みの医師は、イオランタ自ら盲目であることを理解しなければ治療は困難だという。イオランタの婚約者のブルゴーニュ公爵ロベルトと共に偶然城に入った騎士ヴォデモンは、イオランタの美しさに心を奪われるが、言葉を交わすうち彼女が盲目だと気づいてしまい・・・。(引用終わり)

原作はヘンリク・ヘルツが書いたデンマークの戯曲「ルネ王の娘」で、それをもとに作曲者の弟モデストが台本を書いた。ネットで検索すると「アンデルセンの童話に基づく」という記述もみられるが、それが正しいのかどうか現時点で確認できていない。原作戯曲に関するウィキペディア(英語版)の記事でも、アンデルセンとの関連は全く触れられていない。

それはともかく、目が見えない日々を送っていた王女が、ある日訪れた騎士と恋に落ちたことをきっかけに、医師の治療を受けて見えるようになり、二人は目出たく結ばれるというストーリーはまさに童話そのもので、同じ作曲者のバレエ「眠りの森の美女」を連想させる。そこにチャイコフスキーの甘美な音楽が流れるのだから、観客としてはひととき浮世ばなれしたお伽噺の世界に浸れるというわけだ。

タイトルロールのアンナ・ネトレプコ、指揮のヴァレリー・ゲルギエフという最強ロシアペアが、まさに水を得た魚のごとく実力を発揮。ヴォデモン役のピョートル・ベチャワも伸びのある美声を聴かせる(名前からしてロシア人かと思っていたが、ポーランド出身だそうだ。ただ、あの立派な顎と容貌からいつも辻本茂雄を連想してつい笑ってしまう)。

トレリンスキの演出も、変化球が多かった「青ひげ」に比べるとオーソドックスに纏めていて違和感が少ない。全員が神に感謝するクライマックスの合唱になぜか加わらなかったレネ王が、最後の最後で一人脚光を浴びる演出はなかなか秀逸である。

9月19日 ジョグ4キロ

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コメント

「青ひげ公の城」の無機質なバルトークの世界と、チャイコフスキーのメロディーが彩るメルヘンを対比させたプログラムでした。
ネトレプコは、今や押しも押されもせぬ宮廷歌手ですが、この作品では昔の可憐な感じが出ていたような記憶があります。
ベチャワはトレプコとの共演も多く、相性がいいのでしょうね。リリカルで突き抜けるような声がいいですね。

投稿: ケイタロー | 2020/09/22 20:58

ケイタローさん
ネトレプコ、さすがですね。
イタリアオペラの場合と違って、
母語ロシア語での歌唱では、
声質も若干暗いめに感じます。
そこがまた作品に合っています。

投稿: まこてぃん | 2020/09/23 08:48

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