When I'm Sixty-four
映画「ガープの世界」のオープニングとエンディングは、裸の赤ん坊が青空を浮遊する印象的な映像が使用され、そのバックにビートルズの When I'm Sixty-four が流れる。まるでこの映像のために作られたのではないかと思うほどピッタリな選曲に舌を巻く。
歌の内容は、「年をとって髪が薄くなっても・・・君はまだ僕を必要として、僕にご飯を作ってくれるかな。僕が64歳になっても」といったもので(need と feed で韻を踏んでいる)、この歌の作曲当時64歳なんて遥か彼方の将来で、これはもう幾久しく変わらぬ愛を歌ったと考えて良いだろう。
作詞作曲はレノン=マッカートニーとなっている。ジョン・レノンは40歳で凶弾に斃れたが、ポール・マッカートニーは64歳をとっくに過ぎた78歳の今も相変わらず元気でご活躍のようだ。
ところで、映画の主役を務めたロビン・ウィリアムスは、薬物やアルコール依存などの病気を抱えた末に自殺したとされるが、死亡時の年齢は63歳を迎えた直後だった。「64歳になっても」とはいかなかったわけだが、この映画を観たあとでは「それが紛れもなく彼の人生だったのだ」と思えてならない。
時代と場所は全く異なるが、作曲家ヨハネス・ブラームスも64歳を前に癌で亡くなっている。彼の場合はあと約1か月で64歳になるというところだったが、当時の平均寿命はそんなものだったのかもしれない。
さて、自分は64歳まであと2年と3か月だ。64歳に特段の意味があるわけではないが、そこまで頑張ってみようかという目標にはなるかもしれない。64歳になっても、まだ音楽を聴き、オペラや映画を観ているだろうか。まだ少しは走って・・・ま、これはどうでもいいか。(笑)
8月16日 ジョグ2キロ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
毎月、図書館発行のペーパーにコラムを書かせてもらっています。
今年の1月、64歳になった時に書いた拙文です。
“私事で恐縮ですが、先日64歳になりました。(べつにプレゼントの催促じゃありません)
と、耳の奥でポールの軽やかな歌声が・・・。
♪When I get older losing my hair Many years from now・・・・・
Will you still need me Will you still feed me When I'm sixty-four♪
『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(長いなぁ)の中の1曲です。
初めて聴いた中学生の時、64歳なんて何万光年も先のことだと思っていたし、メシくらい自分で作れよ!なんて、まったくの他人事でしたが・・・。
まだ髪の毛はあるし、ご飯も作れるけれど、かみさんは僕を必要としているかな?(^^!
内田久美子・訳『ビートルズ全詩集』( シンコーミュージック)
林育男『ビートルズで英語を学ぼう』( 講談社文庫)
僕は、ビートルズの歌でたくさん英単語を覚えました。リヴァプール訛りもあるようですが、分かりやすい英語です。ぜひ聴いてみてください。“
歌詞はしょうもないけれど(失礼)、大好きな曲です。クラリネットがいいですね。
64歳なんて通過点。お互い頑張りましょう!
投稿: ケイタロー | 2020/08/17 09:01
ケイタローさん
既に64歳になられていたのですね。
自分も「ただの通過点」と言ってみたいものです。
それより、月1のコラム、他のも読んでみたいです。
何かの話題で引っかかったらまた転載お願いします!
投稿: まこてぃん | 2020/08/17 18:43