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2020/05/06

『パッチ・アダムス』

Patchadams1998年、米。ロビン・ウィリアムス主演。アマゾンの紹介文。

“ユーモアこそが最良の薬”
患者の為の医療とは何かを問い続けた、実在の医師をモデルにした感動のヒューマンドラマ。自殺癖を持つアダムス(ロビン・ウィリアムズ)は、自らの意思で心療内科に入院。そこで“笑い”が心の癒しになると気付いた彼は、医学の道を志し、名門大学の医学部に見事入学する。そして、治療の一環としてユーモアで患者を楽しませることを主張するが、彼の理論は学部長や仲間に理解されなかった。そこでアダムスは、自らの信念を貫き通すため、恋人とともに無料診療院を開設する。(引用終わり)

ホスピタル・クラウンとかクリニクラウンという人々がいて、入院患者を励ますボランティア活動をしていることは知っていたが、それはこのパッチ・アダムスの活動に始まり、全米にそして世界に広がったそうである。

映画にも出てくるが、普通は医師と言えば一段高いところにいる存在で、道化を演じるなど思いも及ばない。そうした医療界の常識に果敢に挑んだ彼の半生を映画化したのが本作品だ。

しかし、パッチはただ人を笑わせることが好きで得意だからという理由だけで道化をやったのではない。その背後には「医療とは何か」という彼の哲学があり、その実践方法の一つが道化というに過ぎないのである。パッチが医学部の同級生に次のように語って聞かせる場面がある。

「人は皆死ぬ。医者の務めとは、死を遅らせるのではなく、健康を増進して生活の質を向上させることだ」

ただ生き永らえているのではなく、喜怒哀楽の感情をもち、社会性を保ちながら、少しでも楽しい時間を過ごす。どんな重症患者といえども、人間らしく過ごすことは必要で、それが自然治癒力を高めることになるという信念である。

全篇にわたって、パッチ本人になり切ったかのようなロビン・ウィリアムスの演技が光る。特典映像の中で監督のトム・シャドヤックは、主役はロビン・ウィリアムスが演じることを条件に引き受けたとコメントしているが、確かに彼にしか出来ない役柄ではないかと思う。

5月5日 ジョグ4キロ

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コメント

名優、快優でした。
初めてロビン・ウィリアムズを知ったのは『グッドモーニング・ベトナム』。
マシンガントークのDJ兵士。面白いコメディアンだと思っていたら・・・
『いまを生きる』で規則にがんじがらめの生徒を解放するハチャメチャな教師。
『グッド・ウィル・ハンティング』では不良のマット・デイモンを教え導く大学教授。
『レナードの朝』では重病のロバート・デ・ニーロを目覚めさせる?医師。
『パッチ・アダムス』はユーモアあふれる医師。
『フィッシャー・キング』は浮浪者。
『ミセス・ダウト』は女装して家政婦に。
他にもフック船長やピーターパン・・・などなど。
早すぎる死が惜しまれます。

投稿: ケイタロー | 2020/05/07 14:52

ケイタローさん
あの人懐こい笑顔の裏に、アルコール依存症や
うつを抱えていたことを後で知りました。
突飛な連想かもしれませんが、故桂枝雀師匠と同じ
天才肌の人だったのかもしれませんね。
亡くなった経緯も似通っていますし。

投稿: まこてぃん | 2020/05/08 12:01

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