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2020/04/09

歌劇「セミラーミデ」

Semiramide2ロッシーニのオペラ・セリアの最高傑作とされる作品。アンジェラ・ミード主演による2018年メトロポリタンオペラ公演の録画を鑑賞。METライブビューイングの紹介文。

古代バビロニア。女王セミラーミデは、アッシリアの王子アッスールにそそのかされ、夫である国王ニーノを殺した過去を持っていた。ニーノとの間に生まれた息子のニニアは、ニーノの殺害後、行方不明になっている。 ニーノが亡くなって15年がたち、セミラーミデは後継者を選ぶ必要に迫られていた。若い武将アルサーチェに惹かれているセミラーミデは、彼を夫に迎えて王位を継がせようと考えている。だがそのアルサーチェこそ、行方不明となった息子のニニアだった。それとは知らないセミラーミデは…。(引用終わり)

劇的な序曲は大変有名で演奏機会も多いけれど、本篇は3時間を超える長尺に加え、タイトルロール他のアリアにはハイトーンやアジリタ(細かく速いパッセージ)が続く超絶技巧が要求され、実際に上演される機会はそれほど多くない。20世紀に入ってからは1962年のミラノ・スカラ座まで上演されず、ノーカット全曲校訂版での世界初演を1990年に果たしたMETでも、本公演は実に25年ぶりのことという。

ロッシーニと言えば、「セヴィリャの理髪師」に代表されるようなオペラ・ブッファの作曲家というイメージが強く、オペラ・セリアにも多くの作品を残していることはこれまで知らなかった。ただ、台本の内容が悲劇というのは確かだけれど、音楽はいつものロッシーニ節というのか、長調で軽快な音楽が多く、陰惨なストーリーとの違和感が若干ある。

行方不明になっていた身内との因縁の再会というテーマは、「イル・トロヴァトーレ」(弟)、「シモン・ボッカネグラ」(娘)を想起させるし、男女の三角関係を巡るドロドロの愛憎劇、最後に主人公が死んで(殺されて)終わるところなど、オペラの定番とも言える筋書きはロッシーニの時代でも変わらない。

さて、これで手許にあるイタリアオペラの録画は全部観終えた。「チェネレントラ」「ランメルモールのルチア」「運命の力」「ファルスタッフ」等、これまで観る機会がなかった名作オペラも、今後入手できれば是非観てみたい。

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コメント

ロッシーニ没後150年の上演でした。
「大伽藍」っていう感じの、METならでは大作。
ミードはちょっと太めだけど(ごめんなさい)、力強いベルカント。
カマレナもいいですね。昨シーズンのドニゼッティ「連隊の娘」も素晴らしかったです。

でも、やっぱり「セビリアの理髪師」や「チェネレントラ」の方が、ロッシーニらしい。(^^)

投稿: ケイタロー | 2020/04/09 12:09

ケイタローさん
絢爛豪華な舞台はMETならではですね。
幕が開いてセットを見るだけで拍手したくなります。
ロッシーニはウィーンで面会したベートーヴェンから
「君はオペラ・ブッファ以外のものを書いてはいけない」
と言われたとされ、さすがはベートーヴェンの慧眼という
話になるのですが、これはどうも創作らしいですね。(笑)

投稿: まこてぃん | 2020/04/10 18:44

ベートーヴェンは、年下のロッシーニの人気に嫉妬していたといわれています。
「楽聖」も人間らしくて、いいですね。(^^)
今年は生誕250周年。

投稿: ケイタロー | 2020/04/10 21:04

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