『花嫁のパパ』
1991年、米。チャールズ・シャイアー監督。Yahoo! 映画の紹介文。
「花嫁の父」(1950)のリメイク。スポーツ靴メーカーの経営者ジョージ(スティーヴ・マーティン)は、可愛い娘アニー(キンバリー・ウィリアムズ)がイタリア留学から帰ってきていきなり結婚宣言して気が動転。相手は非の打ち所のない資産家の好青年ブライアン(ジョージ・ニューバーン)。妻ニーナ(ダイアン・キートン)は大喜び、周囲も大乗り気でジョージも露骨な反対で娘に嫌われたくないのでしぶしぶ了承。結婚する前になんとか娘に思い止まらせようというジョージの思惑とは裏腹に、結婚の準備は着々と進み、さらには費用も膨らむ一方で…。(引用終わり)
来月自分も同じ立場になるという、絶妙のタイミングでWOWOWが放映してくれたので、観ないではいられなかった。娘が結婚して家を出て行くに際しての父親の寂しさがテーマだと思っていたが、もちろんそういう場面はあるものの、どちらかと言えば結婚式の事前準備と当日の運営の大変さがメインテーマである。冒頭、結婚式までの半年間を振り返るシーンでジョージはこう述懐する。
結婚は単純だと思ってた
男と女が出会い 恋に落ち 指環を買う そして誓う
だが違った
“結婚”はともかく “結婚式”となると大変だ
「大変」さはもちろん金銭的なものを含む。娘の姓が変わるのに要した費用は、17年前に買った自宅(150人を招待できるほど広い)より高くついたというのである。アメリカでは花嫁側が結婚披露パーティの費用を全て負担するという伝統があるそうで、それはこの映画のように、新郎側が大邸宅に住む富豪で、結婚祝いに新車を1台ポンと寄越すような家であっても同じなのである。
結婚式当日、ジョージは多数の招待客にもみくちゃにされながら、娘に最後の挨拶をしようとするものの、招待客が路上駐車した車への対応などに追われ、とうとう娘に近づくことすら出来ずにお開きとなる。多額の費用を負担した挙句に、挨拶も出来ないまま娘は家を出て行った。「花嫁のパパ」の哀れさを象徴するようなシーンに胸がつまったが、最後にはそれを埋め合わせる出来事がちゃんと用意されて、目出度くハッピーエンドとなる。
ところで、アニーの年の離れた弟マティを演じているのはキーラン・カルキン。どこかで見た名前と顔だと思ったら、『ホーム・アローン』に兄マコーレーとともに出演していたのだった。本作公開当時9歳という子役ながら、惚けたユーモアを交えた演技はなかなか見事で、父母と娘の関係が込み入った場面でも、清涼剤のような笑いを提供してくれている。
蛇足ながら、続篇『花嫁のパパ2』も観たけれど、ちょっと無茶な設定に基づくストーリーで、それこそ蛇足という感が否めなかった。
もうひとつ蛇足ながら、昨日61歳になった。あと何回誕生日を迎えられるか分からないが、1年1年を、いや1日1日を大切に生きていきたいと改めて思った。
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コメント
娘さんのご結婚&お誕生日おめでとうございます。
息子の結婚は経験あるんですが、あと二人娘がいて・・・男の気配すらなくて。(^^)
羨ましいです。
で、前回に引き続きマノンと聞くと、もう一つ思い出す映画があって。(ご存じかもしれないけど。)
『愛と宿命の泉』
プロヴァンスの農村を舞台に、泉をめぐって愛憎渦巻く大河ドラマで、2部構成の長尺。
イヴ・モンタン、ジェラール・ドパルデュー、ダニエル・オートゥイユなど豪華キャストで、そのpart2が『泉のマノン』。
前編から10年たって成長したマノン、当時20代のエマニュエル・ベアールがむっちゃ美しいです。
年が明けると僕も64。
最近耳の奥でポールの声が・・・♪When I'm Sixty-Four♪
投稿: ケイタロー | 2019/11/20 11:04
ケイタローさん
ありがとうございます。
『愛と宿命の泉』は全く知りませんでした。
これも要チェックですね。
ポールがこれを歌っていた頃の64歳って、
今と違って相当な年寄りのイメージだったでしょうね。
投稿: まこてぃん | 2019/11/20 19:13