« 奈良街道を歩く その5(小野~墨染) | トップページ | 登山靴を買った »

2019/10/20

『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』

Hikita2019年、製作委員会。松重豊、北川景子ほか。公式サイトの紹介文。

ヒキタクニオ、49歳。職業は人気作家。サウナとビールが大好きで、ジム通いのおかげでいたって健康体。一回り以上年が離れた妻・サチと仲良く暮らしている。年の差婚のふたりは、子どもは作らず、気ままに楽しい夫婦生活を送るつもりでいたが、ある日の妻の突然の一言ですべてが変わった。
「ヒキタさんの子どもに会いたい」
サチの熱意に引っ張られる形で、妊活へ足を踏み出すことになったヒキタ。だが、彼は知らなかった。まだまだ若くて健康だと自負していたが、相反して、彼の精子が老化現象を起こしていたことを……。(引用終わり)

封切映画は久々、手術後は初めてだ。ストーマの不安があったけれど、ショッピングモール内の劇場だったので、設備の整った多目的トイレが利用でき、最後まで何ら問題なく鑑賞することが出来た。

不妊治療というデリケートな問題を取り上げながら、変に深刻過ぎず、むしろ適度なユーモアを交えながら、悲喜こもごものヒューマンドラマに仕上がっている。突飛な連想かもしれないが、伊丹十三の名作『お葬式』のようなテイストの作品であると感じた。

人工授精、顕微授精といった不妊治療の実際の内容について、医療関係者や当事者以外の人間はほとんど知識がないのが普通である。自分の周囲にも子供のいない夫婦は何組かいたけれど、それについてどう思いどう取り組んでいるか、本人が話してくれることは全くなかったし、こちらから尋ねるのは土足で人の心に踏み込む蛮行にすら思える。

本作はそういう「妊活」、とりわけ男性側に原因がある場合について、とっつきやすく分かりやすく解説してくれている。また、それが単なるノウハウものにとどまらず、妊活を通じて夫婦の絆が深まり、周囲の人間の理解も進むという理想的な姿を提示している。費用面も含めて、現実はそんなに甘くないという指摘があるかもしれないが、妊活入門としては合格点が与えられるのではないか。

主演の松重豊は、あの厳ついルックスに反して、どこか憎めないところのある中年作家を好演。北川景子はさすがに30歳台に相応しい貫禄がついてきたが、相変わらずの透明感と気品を保ち、役柄の幅がさらに広がったようだ(ファンの贔屓目・笑)。

|

« 奈良街道を歩く その5(小野~墨染) | トップページ | 登山靴を買った »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 奈良街道を歩く その5(小野~墨染) | トップページ | 登山靴を買った »