奈良街道を歩く その4(大久保~六地蔵)
その3までで一旦終えた奈良街道だが、やはり宇治、六地蔵を回る古い街道の方も行ってみたくなり、快晴に恵まれた9日に歩いてきた。ついでに、東海道から分岐して大坂に向かう京街道の途中、小野付近から分岐して六地蔵に向かう奈良街道も歩いてみた。
ちょっとややこしいが、アルファベットの Y に例えると、下端が近鉄大久保駅付近の宇治屋の辻で、そこからスタートして宇治を経由、真ん中の交点が六地蔵、一旦地下鉄で右上の小野駅まで移動、そこから六地蔵まで歩いて戻り、今度は左上、京阪墨染駅付近の伏見街道との分岐点まで歩くという行程である。
午前9時過ぎ、宇治屋の辻をスタート。前回は右奥へ太閤堤を通るルートを行ったが、今回は右手前の「うぢミち」、なだらかな登りとなる古い街道を行く。
宇治まで約1時間。メインの宇治橋通りは観光客相手の商店が連なり、一部に旧街道の風情も残る。折角なので老舗上林春松本店で煎茶を買い求めた。
この先、宇治橋の西詰には紫式部像が佇み、ここが源氏物語宇治十帖の地であることを示す。
橋の東詰めには文政年間の道標が建ち、「すぐ京大津」「右ゑしん院(恵心院)こうしやう寺(興聖寺)」「左みむろ わうばく(黄檗)」などと刻む。
平安時代から続く茶屋「通圓」で抹茶ソフトを買い求め、ちょっとお行儀が悪いが食べながら街道歩きを再開。街道ランでは出来ない楽しみもあるのだ。(笑)
京阪宇治駅の東で旧道に分岐するところに東屋観音が安置され、その近くに「右ミむろみち」「左京大津道」と刻む可愛らしい道標があった。
この先はJR奈良線、京阪宇治線と並行しながらなだらかに蛇行する街道を進むが、往時を忍ばせるような建物等はほとんどない。左手には京都大学宇治キャンパスの広大な敷地が広がっている。
その先の辻を右に入り、JR黄檗駅に向かう途中、許波多(こはた)神社の昔の一ノ鳥居の礎石が立っている。もとはここから東の山手へ伸びる参道を行った先に神社があったが、神社は明治初期にここから北西方向に移築されたそうだ。
京阪宇治線の踏切を渡った先に、地蔵と並んで仏の透かし彫りのある古い道標が建つ。残念ながら文字はほとんど解読不能で、ネットで調べても情報がなかった。ここから先、街道沿いにはやたらと地蔵さんが目についた。
JR木幡駅付近を過ぎたところで、街道を越える高架橋跡があった。右手方向からゆるやかにカーブしており、明らかに鉄道廃線跡と知れる。木幡駅から分岐していた旧陸軍宇治火薬製造所への引込線跡で、駅付近は遊歩道になっているが、この辺りは野草の生い茂るまま放置されているようだ。
六地蔵の手前、街道右手に天保年間と思われる道標が建ち、「左長阪地蔵尊みち」などと刻む。
まもなく六地蔵札ノ辻に突き当たる。手前が宇治、左が伏見・京、右は醍醐・小野方面である。
南西角には天保3年の道標が建ち、「左長阪地蔵うち(宇治)みち」「すぐ伏見舟乗場みち」などと刻む。
すぐ近くの地下鉄東西線の終点六地蔵駅から小野駅まで電車で移動する。
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コメント
宇治~墨染間は何度も歩いてますが、道標は適当に見てます。
読めない~とか。(^^;
で、こちらでふむふむと勉強させてもらうと。(^^♪
黄檗に超有名なパンやさんがありますが、
まこてぃんさんはパンには惹かれなかったかな。(^^;
投稿: くー | 2019/10/19 14:01
くーさん
「〇ま木亭」でしょうか。パンは好きですけれど、
わざわざパン屋巡りをするほどではありません。
ストビューで外観を見てみたら洋食屋か何かのようで、
前を通ってもパン屋だとは思いませんでしたね。
投稿: まこてぃん | 2019/10/20 08:40