歌劇「リゴレット」
ヴェルディ中期の傑作オペラ。今回視聴したのは歌劇場の公演ではなく、オペラの舞台となったマントヴァなどで撮影された映像に音楽をつけた「オペラ映画」とも言うべきもの。パヴァロッティ、グルベローヴァ、ヴィクセル等の名歌手を揃え、シャイー指揮ウィーンフィルの音楽、ポネル演出と、大変贅沢な顔ぶれで製作されたものである。
ただ、ストーリー的にはどうにもついていけなかった。好色で狡猾なマントヴァ公爵。毒舌の道化役リゴレット。その清純な娘ジルダは公爵に騙される。どの人物にも感情移入どころか、心情理解すらできず、おまけにキーワードが「呪い」というのだからお手上げだ。
しかし、音楽は文句のつけようがないほど素晴らしい。有名な「女心の歌」や、様々な組み合わせの二重唱、大詰めでの四重唱など、緊迫感を増しながらドラマを盛り上げていく。端的に言って、この作品の魅力の大部分はその音楽にあるのだと思う。
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