緊急再手術
翌日には鼻から胃に通していたカテーテルが抜かれ、エコノミー症候群防止のため周期的に下肢を圧迫するポンプが取り外されたが、まだ全身にチューブが繋がっている。そんな状態でも早速リハビリが開始され、初日からもう立ち上がって歩き、廊下に出て帰ってくるところまで実行した。ただ、食事の方はまだ栄養ドリンク1本だけである。
翌々日になると黄疸の症状が現れ、ひとまず抗生剤の点滴が投与された。手術中に残留していた便が、縫合部から腹腔内に漏れ出した可能性があるとのことだった。リハビリは早くも病棟の廊下を1周歩くところまでいった。また、手術直後は緊急時にすぐ対応できるよう、ナースステーションと繋がった特別室に収容されていたが、この日の午後から個室に移動した。ちなみに、D病院では患者からの相部屋、個室の希望は受けず、医療上の判断のみで部屋を割り当てている。その代わり、個室料金を取らないというポリシーなので、年金生活者にはありがたい。
手術から3日後の27日午前3時過ぎ、腹部の耐え難い痛みに見舞われ、堪らずナースコールのボタンを押した。とりあえず氷枕をしただけで暫く放置されていたけれど、その間放射線医師を緊急で呼び出し、CT撮影に備えていたようだ。七転八倒呻吟しながら何とかCT撮影を済ませたが、直後に少し嘔吐してしまった。
検査結果を踏まえ、当直の医師が胃にカテーテルを入れて内容物を吸い出してくれ、ようやく楽になった。腸の動きが止まっているため、胃の方に向けて内容物が逆流していたのが原因だったのだ。その後、朝になって主治医のY先生が来られ、腹腔内に漏れ出した便により腹膜炎を起こしていて、そのために腸の動きが止まっていることから、緊急に再手術して腹腔内を洗浄する方針が伝えられた。
看護師が自宅に電話して家内が呼ばれ、二人でY先生から手術内容の説明を受けたあと、正午前から再び全身麻酔下で、今度は開腹による手術が約3時間にわたって行われた。後で聞くと、生理食塩水を19リットルも注ぎ込んで、腹の中を洗浄したとのことである。それによって状態は一気に改善したが、今後縫合部の修復が自然に行われるのかという不安が残るとともに、腹腔内に残った雑菌とこれによる膿が排出されるまで数週間を要し、それだけ入院期間が延びる結果となった。
本日から抗癌剤治療のため短期の再入院となった。次回更新まで少々お待ちを。
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コメント
縫合部から漏れるなんて事があるんですねぇ。
細菌なんて、腸洗浄しても完全とは言えないだろうし、そう思うと雑菌だらけの腸の手術はなかなか怖いですね。
僕は手術後はICUで一泊だったので、色んな計器の音がうるさく、全く眠れませんでした。
まぁ、手術中の6時間半はぐっすり寝ているので構わないんだけど(笑)。
投稿: AKA | 2019/08/13 17:36
AKAさん
漏れるというか、染み出したという感じらしいです。
再手術の後、骨盤底に達するドレンパイプを留置し、
外から陰圧をかけて溜まった膿を吸い出すという、
気の長い過程を経て徐々に正常化していきました。
投稿: まこてぃん | 2019/08/14 08:54