退院まで
退院は7月26日。実に36日間、病院から一歩も出ない日々が続いた。入院後に始まった梅雨が、退院したときにはもう明けていた。
といっても、再手術から退院までは単調なルーティンの繰り返しで、詳細に書くほどの内容はない。治療に関しては、随時抗生剤で炎症を抑えながら、体調が回復するにつれて下半身に何本も繋がれていたパイプ類が順次外され、ゆっくりとではあるが次第に普通の人間の生活へと戻っていった。
それに伴うリハビリも、当初は廊下を歩くだけだったのが、リハビリルームでバイクを漕いだり、筋トレのような運動をしてみたりと、徐々に負荷を増していった。私の場合、「途中からはリハビリの域を出て、トレーニングに近くなっている」とは、ついてくれた理学療法士の弁である。(笑)
食事も最初は流動食がやっとという状態から始まって、次第に普通食へと移行していったが、いかんせん病院食のこと質量とも満足できるものではない。副食(おかず)の不足を主食(米)で補うような食事内容は、普段の自分の食事とは正反対で、何とか毎日完食しているのに、体重がなかなか元に戻らず、入院前より5キロ以上も減った状態が続いた。
生活面では、持ち込んだ本やウォークマンのおかげでさほど退屈せずに済んだが、狭い病室にずっと籠っているのはさすがに気が滅入る。そんな中、家内がただ1日を除いて毎日来てくれたのは有難かったし、他の家族も何度か顔を見に立ち寄ってくれた。ラン仲間2人がわざわざ見舞いに来てくれたのは本当に嬉しかった。
そう言えば、入院期間中に参議院選挙があり、不在者投票という貴重な体験をすることが出来た。これは期日前投票とは異なり、名簿登録地以外や指定病院等で投票できるというもので、予め選挙管理委員会に投票用紙を請求しておく必要がある。当日は病院の談話室が臨時投票所となり、病院職員立ち合いのもと記入した投票用紙は、二重の封筒に封緘された上で選挙管理委員会に戻される。ただ、この投票用紙の請求、交付の際には投票所入場券のみならず、免許証や保険証など本人確認書類も一切必要なく、「なりすまし」投票が簡単に出来そうに思えた。
抗癌剤治療に伴う短期入院は昨日終了。これについてはまた改めて。
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