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2019/06/02

『ボストンストロング』

Stronger_1 2017年、米。デヴィッド・ゴードン・グリーン監督。KINENOTE の紹介文。

ボストンで暮らすジェフ・ボーマン(ジェイク・ギレンホール)は、元彼女エリン(タチアナ・マスラニー)の愛情を取り戻すため、彼女が出場するマラソン会場に応援に駆け付ける。しかし、爆破テロがゴール地点付近で発生し、巻き込まれたボーマンは両足を失う。ボーマンは意識を取り戻すと、爆弾テロリストを特定するために警察に協力する。ボーマンの証言を元に犯人が特定され、ボーマンは一躍“ボストンのヒーロー”として世間の脚光を浴びるが、彼自身の再生への戦いはまだ続いていた。(引用終わり)

原題は Stronger 。何とシンプルで、含蓄のあるタイトルだろう。それに比べて、邦題は折角の比較級を元に戻す愚挙に加え、「ダメな僕だから英雄になれた」などという身も蓋もない副題までつけている。そこまでやらないと、映画は人々に観てもらえないのだろうか。

それはともかく、本作は2013年ボストンマラソンのテロ事件に巻き込まれた主人公の回顧録に基づく実話ドラマである。少し前に観た『パトリオット・デイ』も同じ事件を題材にしていて、そちらは事件解決に向けた捜査当局の動きを克明に追った作品だったが、本作はごく普通の市民だった主人公の視点から、事件が及ぼしたインパクトをリアルに描いている。

一躍地元の英雄に祭り上げられた主人公は、アイスホッケーの試合に招待されるなど世間の注目を浴びるが、そうした表面的な華やかさとは裏腹に、本人は不自由な暮らしと苦しいリハビリに耐え、さらには事件現場での記憶が突然フラッシュバックするなど、苦難に満ちた日々を過ごしている。前後不覚になるまで酔ったり、献身的に手を差し伸べてくれるエリンにまで当たり散らす始末だが、そうした人間の弱さを克服して、彼が俄かヒーローではない、「より強い」ひとりの人間へと生まれ変わる過程こそが本作のテーマなのだろう。

5月31日 ジョグ10キロ
月間走行  151キロ

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