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2019/06/05

『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』

Interlude_1 2017年、英・チェコ。公式サイトの紹介文。

1787年、プラハはオペラ『フィガロの結婚』の話題で持ちきりだった。上流階級の名士たちは、モーツァルトをプラハに招き、新作を作曲させようと決める。その頃、モーツァルトは三男を病で亡くし失意のどん底にあり、陰鬱な記憶に満ちたウィーンを逃れるために、喜んでプラハにやってきた。友人ヨゼファ夫人の邸宅に逗留して、『フィガロの結婚』のリハーサルと新作オペラの作曲にいそしむモーツァルト。やがて、彼は、『フィガロの結婚』のケルビーノ役に抜擢された若手オペラ歌手スザンナと出会い、その美貌と才能に大いに魅了される。一方、スザンナもモーツァルトが妻帯者と知りながら、その天才ぶりに引き付けられずにはいられなかった。急速にその距離を縮める二人。しかし、オペラのパトロンであり、猟色家との噂のあるサロカ男爵もまた、スザンナを狙っていた。三人のトライアングルは愛と嫉妬と陰謀の渦に引き込まれてゆく―(引用終わり)

モーツァルト生誕260年(中途半端やなあ・笑)を記念して製作された。原題 Interlude in Prague は、直訳すると「プラハでの間奏曲」で、やはりこちらの方がしっくりくる。ウィーンよりもモーツァルトの評判が高かったというプラハでのエピソードを、史実半分、創作半分といった感じで面白く纏めている。

とりわけ、モーツァルトのオペラにしてはデモーニッシュな色彩の強い『ドン・ジョヴァンニ』の創作過程に、彼自身が巻き込まれた三角関係の愛憎劇を絡めているところが秀逸で、実際これに近い出来事があったのかもしれないという妄想を膨らませてくれる。

全篇、現地プラハでロケ撮影され、細かいカットを畳みかける映像は大変美しく、また当然ながら要所要所で流れるモーツァルトの楽曲の数々が映画を盛り上げる。楽団員が皆カツラをつけて、現在とは全く異なる配置で古楽器(当時は現代楽器だが)を奏でる様子も興味深い。なお、スザンナ役の歌唱吹替はクリスティーナ・ジョンストンというイギリスのコロラトゥーラ・ソプラノで、プラハ国立歌劇場でも歌っているそうだ。

6月3日 ジョグ10キロ

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