『ゴッホ 最期の手紙』
2017年、英・ポーランド。KINENOTE の紹介文。
郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(クリス・オダウド)の息子アルマン(ダグラス・ブース)は、パリ宛の一通の手紙を託される。それは父の友人で自殺した画家ゴッホ(ロベルト・グラチーク)が、彼の弟テオに書いたものだった。アルマンはテオの消息をたどり彼の死を知るが、それと同時にある疑問が募る。ゴッホの死の本当の原因とは? そして、この手紙を本当に受け取るべき人間はどこにいるのか? (引用終わり)
「絵に描いたような」という形容があるが、本作はまさにそれをそのまま実行した驚異的な映像作品である。公式サイトに詳細な説明があるが、俳優が演じた映像を元に、世界中からオーディションで集めた125名の画家が、ゴッホのタッチを模して描いた6万枚以上もの油絵を、アニメーションのように連続する動画として撮影したものだ。
実は本作を続けて2回観るはめになったことを告白する。1回目はその映像の美しさに見入ってしまい、物語(字幕)がすんなり頭に入らないまま終わってしまったのだ。2回目はゴッホの死の真相を探求するなかで、ゴッホ自身の人生の実相に迫っていくアルマンの「旅」を追体験することができた。「一粒で二度美味しい」映画である。(笑)
ゴッホの死の真相にはいくつもの説があって現在でも謎とされているが、本作は決して「これが真相だ」というスタンスではないと思う。ただ、精神科主治医で絵画愛好家でもあったガシェと、その娘マルグリットが重要なカギを握っていることが暗示され、そのことが「最期の手紙」のその後の顛末を巡る感動的なエンディングに繋がっていく、ということだけは書いておきたい。
6月6日 ジョグ10キロ
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