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2019/05/18

なんで「乳牛石鹸」って言わないの?

以前から不思議に思っていたのだが、世間一般に「牛乳石鹸」と称されている石鹸のパッケージには、赤箱だと「COW Beauty Soap [赤箱]」と記されていて、成分や製造元などの記載のあるところには、商品名として「化粧石鹸カウブランド赤箱」と書かれている。「カウブランド」は、直訳すれば「乳牛印」とかになるはずである。

Cowred
では、なぜ「乳牛石鹸」と言わないのか? そんなことも知らずに、やれ「赤箱はしっとりタイプで関西人好みなんや」だの、「その昔は現在のライオンの商品だったんだよね」だのと、知ったかぶりを言っている日本人の何と多いことか。

というわけで、今こそ全ての日本国民を代表して、製造販売元の牛乳石鹸共進社に問い合わせてみたところ(相当なヒマ人である・笑)、概略次のような回答があった。

牛のデザインに関しては、「商いは牛の歩みのごとく」の格言どおり、粘り強く堅実な経営のシンボルとして選ばれている。
当社は昭和3年に佐藤貞次商店から「牛乳石鹸」の商標を譲り受け、以後自社ブランドとして「カウブランド赤箱」を製造販売することになった。牛のデザインのある赤い箱の石鹸を「赤箱」ではなく「牛乳石鹸」と呼び、親しまれていたようだ。
「牛乳石鹸」はあくまで社名であり、牛のデザインの入った石鹸という意味で「カウブランド」が用いられているものと思われる。

何だか奥歯に物が挟まったような文章で分かりにくいが、実際のところは、たぶんこうだったんじゃないか。

(社長)当社の長年の念願がついに叶い、佐藤貞次商店に納めていた牛乳石鹸の商標権を譲り受けることになった。今後は自社ブランドで売り出そうと思うのだが、ついては堅実な経営のシンボルとして牛のマークを使い、「カウブランド赤箱」として売り出そうではないか!
・・・
(部下)商品の売れ行きは問題ありませんが、「カウブランド」は全く浸透せず、人々は相変わらず「牛乳石鹸」と呼んでいます。
(上司)もう今さら「うちの石鹸は牛乳石鹸ではありません。カウブランドと呼んで下さい」と言い張るわけにはいかないな。しかし、社長の顔を潰すわけにもいかないし。・・・そうだ、いっそのこと社名の方を「牛乳石鹸」にしてしまえ!

パッケージの他のところにある「牛乳石鹸の[赤箱]」というのは「牛乳石鹸という会社が作った赤箱」という意味なのだろう。「牛乳石鹸」よりも「[赤箱]のフォントが異様に大きいのは、そういう建前を表したものと思われる。

というわけで、「カウ」ブランドなのに「乳牛」石鹸と言わないのは~? ドドン、「新しいブランドが浸透しなかったから~!」でした。たぶん。(笑)

5月17日 ジョグ10キロ

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