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2019/02/20

『15時17分、パリ行き』

15172018年、米。クリント・イーストウッド監督。KINENOTEの紹介文。

2015年8月21日。アムステルダムからパリに向けて高速列車タリスが発車。列車は順調に走行を続け、やがてフランス国内へ。ところが、そこで事件が発生する。乗客に紛れ込んでいたイスラム過激派の男が、自動小銃を発砲したのだ。突然の事態に怯え、混乱をきたす500名以上の乗客たち。その時、犯人に立ち向かったのは、ヨーロッパ旅行中のアメリカ人の若者3人組だった。なぜ彼らは、死の恐怖に直面しながらも、困難な事態に立ち向かうことができたのか……? (引用終わり)

イーストウッド監督作品は『硫黄島からの手紙』『チェンジリング』『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』と観てきたが、いずれも実際にあった出来事を描いたものだ。今回作品は更に踏み込んで、実際に事件に遭遇した若者3人を俳優として起用し、さらに事件発生場所でロケを行ったという意欲作である。

事前にネットのレビューを見ていて、テロ事件そのものの再現はごく短時間であり、それよりもむしろそこに至るまでの主人公たちの過去や、事件に巻き込まれた経緯を丹念に描くという作品構成を把握していたのは正解だった。

学校では落ちこぼれ生徒で転校を余儀なくされ、志願して入った軍隊でも落第生となったスペンサー・ストーンは、それでも腐らずに自分なりの人生を生きていた。幼なじみと3人でヨーロッパ旅行に出かけ、その最中に「大きな目的に向かって 人生に導かれている」という感慨を漏らすが、よもやそれがテロ事件のことを意味しているとは本人も知るよしがなかっただろう。

軍隊で学んだ格闘技術や救急救命が、多くの乗客の生命を救うことになったのだ。彼らはフランスのオランド大統領(当時の記録映像で本人が出演!)からレジオン・ドヌール勲章を授与され、地元サクラメントの英雄となった。小山薫堂が書いた「W座からの招待状」に、「今日これから起こることは いつかきっと何かの糧となる。人生に無駄なことはひとつもない。」という言葉があるが、まさにその通りだと思った。

2月17、19日 ジョグ10キロ

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