終のスピーカー
長年愛聴してきたインフィニティのスピーカーから異音が発生するようになり、実に28年ぶりにスピーカーを買い替えた。事前にネットでいろいろリサーチして、イギリスのB&WかデンマークのDALIが良さそうだったので、この2社に絞り込んだうえで、大阪日本橋の某オーディオ専門店で試聴させてもらった。
当初はB&Wの702S2というモデルが有力とみていた。実際に聴いてみて、そのスッキリとして見通しの良い音は、さすがに世界中のスタジオで活躍するモニタースピーカーを作っているメーカーだけのことはあると感じた。
しかし、次に聴いたDALIのRUBICON6というモデルは、その上にプラスアルファというのか、音楽の香りや余韻のようなものまで感じられた。単に音をチェックするだけならB&Wの方が性能が上だけれど、家で音楽を楽しむのにはこちらの方が良いのではと、一目ならぬ一聴惚れ(?)で購入を決めた。28年前のインフィニティの時もそうだった。オーディオは迷い始めたらキリがないのだ。
現在、ホワイトノイズとピンクノイズを交互に流してエージングを行っているところだが、合間に音楽を再生してみると、その再生音の素晴らしさを早くも実感する。音がスピーカーという「点」から、あるいは左右のスピーカーを結ぶ「線」から出ているのではなく、リスナーの向こうにある「面」から、いやむしろリスニングルームの一部が3次元の「立体」として鳴っているという感じなのである。
DALIのカタログには、「リスナーの前からスピーカーはその存在を消し」という言葉が出てくるが、確かにそれが決して大袈裟な宣伝文句ではなく、メーカーが目指した再生機器の理想像が実際に音となって実現しているのが分かる。
当初は床を傷めないようスパイク受けを使用していたが、トゥイーターの位置が耳より若干低かったこともあって、厚さ60ミリのコンクリート板を敷き、その上に直接スパイクを乗せるようにしたら、一段と音の解像度が上がった。また、今のところケーブルはシングルでジャンパープレートを経由しているが、近いうちにバイワイヤ接続にすることを検討している。
ところで、DALIとはスペインが生んだシュルレアリスムの巨匠からとったのかと思っていたがそうではなく、Danish Audiophile Loudspeaker Industries の略だった。RUBICONはもちろん、カエサルが「賽は投げられた」と言って渡ったルビコン川に由来する。メーカーの不退転の決意を示したものだそうだ。
こちらだって、購入を決断する時はそれぐらいの覚悟だったのだからね(笑)。先代と同じように30年近く愛聴すれば、自分は90歳近くになる計算だ。故障さえなければ、これが多分、終(つい)のスピーカーとなるだろう。
11月20日 ジョグ10キロ
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コメント
新スピーカー購入、おめでとうございます。
クラシックを聴くなら、B&Wのちょんまげシリーズが一番だろうと思っていましたが、DALIだったんですね。
確かに、DALIはコスパが抜群で、音も価格の倍以上と言う評価を良く聞きますね。
かく言う僕も、先日お見せした音工房zのZ800-FW168HRが届き、先日から聴いています。
エージングを待たずとも余りにも良い音なので、これはアンプを替えたらどうなるのか・・・・・?
と、次は真空管アンプを物色する今日この頃。
ますます泥沼に陥りそうです(^^;)。
投稿: AKA | 2018/11/21 10:34
AKAさん
速攻のコメント、ありがとうございます。
確かに価格的にはDALIの方が安かったのですが、
十分それ以上の音が出ている感じです。
音工房Zのキット、完成されたんですね。
その良い音を自分の手で作った喜び、分かります。
次はアンプ、ケーブル、プラグ、電源と、
オーディオ無間地獄をお楽しみ下さい!(笑)
投稿: まこてぃん | 2018/11/21 10:58