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2018/09/07

『プライベート・ライアン』

Privateryan_21998年、米。スティーヴン・スピルバーグ監督。トム・ハンクス、マット・デイモン他。allcinema の紹介文。

1944年6月。連合軍によるフランス・ノルマンディ上陸作戦は成功に終わったものの、激戦に次ぐ激戦は多くの死傷者を出していた。そんな中、オマハビーチでの熾烈な攻防を生き延びたジョン・ミラー大尉に新たな命令が下された。ひとりの落下傘兵を戦場から救出せよ。その兵士、ジェームズ・ライアン二等兵には3人の兄がいるが、この一週間の間に全員が死亡。兄弟全てを戦死させる訳には行かないという軍上層部は、ひとり残されたライアンをなんとしてでも故国へ帰還させようと考えたのだ。ミラーは中隊から7人の兵士を選び出し、生死も定かでないライアン二等兵を探すために戦場へと出発するのであった……。(引用終わり)

ひとことで言えば、「戦場のリアル」を徹底的に追求した映画ということになるだろう。冒頭20分以上にも及ぶオマハビーチでの凄惨な戦闘シーンはその最たるものだが、それに続く本題であるライアン救出作戦の一部始終もまた、実際の戦場で日常どんなことが起きていたのかを実感させる。

たった一人の兵卒を救出するために、大尉以下8名のチームが結成される。その中には「俺にヒトラーを狙わせてくれたら、この戦争なんてすぐ終わる」と豪語する凄腕のスナイパーまで含まれている。しかるに、肝心のライアンの居場所は漠然としていて捜索は難航する。どう考えても不合理極まる作戦だけれど、軍最高幹部からの命令は絶対なのである。

さらには、ようやく発見したライアンが帰還を拒否したため、彼らはやむなくライアンの属する部隊とともに、連合軍の生命線となる橋を死守する作戦に従事することになる。その準備から実際の戦闘までのディテールが、これまた詳細かつリアリティーに満ちている。弾丸がなくなれば万事休す。その当たり前のことを、この映画はちゃんと分からせてくれる。

戦争とは一体どういうものか。言葉で表現すれば、そこに何がしかの主張や思想が入り込まざるを得ないが、まるで現場に居合わせたかのような迫真の映像表現で、それを冷徹かつ客観的に描き切った稀有な作品である。アカデミー賞5部門受賞は当然のことだろう。

9月5、7日 ジョグ10キロ

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