ブラヴォー、クリストフふたたび
先週、NHK-FMのクラシックカフェでクリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団によるベートーヴェン交響曲第8番が放送された。昨日、今年2回目の献血に行った際、ウォークマンに転送しておいたその録音を聴いていて、思わずわが耳を疑う箇所があった。驚きのあまり、もう少しで血流が止まるところだった。(笑)
第2楽章アレグレット・スケルツァンド。当時まだ発明されたばかりのメトロノームを模したとされる木管の規則正しい刻みに乗って、弦楽器がいかにも楽しげなメロディを奏で、それが一段落したところで、F音(ヘ長調のド)の強烈なトレモロがユーモラスに締めくくる(23小節)。同じ音型は直後の25小節、さらに変ロ長調で56、58小節にも登場する。
あえてヴァイオリンのパートだけ抜粋したが、以下ヴィオラ、チェロ、コントラバスまで全てFのトレモロと、これまでは思い込んでいた。
ところが・・・
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そうではなく、チェロ・コントラバスの低弦パートは、何と「ドレミファソファミレド」という音階を弾いているのだ。演奏がかなり難しいパッセージと思われるが、ドホナーニ盤ではそれが明瞭に分かる。
お恥ずかしながら、これまで全く気がついていなかった。改めて我が家にあるLP、CDあわせて8点の演奏を聴いてみたが、僅かにハイティンク指揮コンセルトヘボウ盤が、そう言われて低弦部だけを注意深く聴いてみれば分からなくないという程度で、漫然と聴いたのではまず気がつかない。
しかし、そんなことも知らないで、やれピリオド奏法がどうの、ベーレンライターの新版スコアがどうのと、利いた風な口をきいていると、5歳の女の子から、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られること必至である。(笑)
ドホナーニは以前、ブラームス交響曲第3番冒頭のティンパニのパートで驚くべき発見をさせてくれた記憶がある。今回もまた目からウロコの思いであるが、それと同時に、汲めど尽きせぬベートーヴェンの音楽の魅力を再認識した次第である。
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コメント
これは知りませんでした!!びっくり!!
投稿: frun高橋 | 2018/09/17 21:12
frun高橋さん
でしょう! 私も本当に驚きました。
この曲の第3楽章トリオではクラリネットソロ
が大活躍ですが、ドホナーニの演奏では
それに加えてホルンソロとの掛け合いも
素晴らしく、これもちょっと驚きでした。
投稿: まこてぃん | 2018/09/18 16:39