『ジーサンズ はじめての強盗』
2017年、米。モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキン他。アマゾンの紹介文。
ウィリー、ジョー、アルの3人は慎ましくも幸せな老後生活を送っていた。ところがある日、長年勤めていた会社の合併によって、年金を止められてしまう。このことをきっかけに、彼らはある企てを決意。なんとしてでも今までの生活を取り戻し、愛する家族と仲間たちとの幸せな余生を続けられるよう、3人は銀行のお金を奪おうと、大胆で危険な賭けに出るが…。(引用終わり)
邦題は「爺さん」のもじりに、子供が主役の某テレビ番組を引っ掛けたものだろうが、かなりセンスを疑う。原題は Going in Style といい、同名の1979年作品のリメイクに当たるが、そちらの邦題は『お達者コメディ シルバー・ギャング』だそうで(劇場未公開)、その方がまだしもマシという気がする。
コメディの要素があるのは確かだけれども、単にお笑いだけの映画ではない。3人の老人たちの憤りには共感できるし、彼らの行動力に驚きつつも、ついには彼らを応援したくなるのだ。真面目に働いてきたのに、どこかの誰かのせいで割を食っている。少し突飛な連想だけれど、今のトランプ大統領支持層の心情にも通じる部分があるのかもしれない。
むろん、銀行強盗は立派な犯罪だけれど、年金支給を停止した張本人の銀行から、自分たちが本来受け取るべきだった金額だけを奪おうというところがミソだ。結果はまあ想像できるとおりだが、アリバイ工作とか、証拠隠滅の工夫など、意外に細かいところまでよく作り込んである。
いずれもアカデミー賞俳優である主役3人の演技はさすがに味がある。とりわけ、モーガン・フリーマンの渋い枯れ具合が何とも言えない。また、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドク役を演じたクリストファー・ロイドが、ここでは認知症の老人役で相変わらず怪優ぶりを発揮している。
8月22日 ジョグ10キロ
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