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2018/08/08

『バグダッド・カフェ 完全版』

Bagdadcafe1987年、西独。パーシー・アドロン監督。マリアンネ・ゼーゲブレヒト主演。アマゾンの紹介文。

アメリカ西部、ラスヴェガスとロサンゼルスを結ぶ長距離道路が通過する砂漠のど真ん中で、ドイツの寂れた田舎町ローゼンハイムから旅行にやってきた夫婦は喧嘩の果てに、妻のジャスミンは夫を残し一人で車を降りた。砂漠には不似合いのハイヒールと大きなトランクを引きずって歩き続けるジャスミン。そこからそう遠くはない、道路脇にたたずむ寂れたカフェ兼モーテル兼ガス・ステーション。そこでは女主人のブレンダが家族にもお客にも不機嫌に怒鳴り散らし、亭主さえも追い出したところだった。砂漠を歩き続けたジャスミンがやっとの思いで、その店にたどり着く。看板に書かれた文字は“BAGDAD CAFE”。ここから2人の女性の物語が始まる。(引用終わり)

文句なしの傑作である。砂漠の中の寂れたカフェに集う人々の、砂漠のように荒んだ心が、ある人物の来訪を機に魔法のように癒されていく。救世主となったのは、米国旅行中に夫とケンカ別れしたばかりの、自身も荒んだ心境だったに違いない中年ドイツ人女性ジャスミン(ドイツ語読みではヤスミン)である。

ジャスミンがカフェの給水塔を掃除するジャケット写真が象徴的だが、彼女の何とも言えない包容力、温かさが、人々の心にこびりついた埃や垢を洗い流していく。最初は得体の知れないジャスミンを警戒し、ついには「出て行け!」と悪態を吐いた女主人ブレンダも、すぐに少し言い過ぎたと反省の色を見せる。その直後、近くを通るルート66に美しい虹がかかる。二人の心の架け橋を象徴するかのようで感動的だ。

たまたま荷物に入っていた手品セットをマスターした彼女は、その芸でドライバーたちの評判となり、カフェは連日大賑わいとなるが、ビザの在留期限が切れ、帰国を余儀なくされることになる。カフェは再び閑散とし、ブレンダは茫然自失の態である。ブーメランは給水塔に当たって手元に戻って来ない。ブーメランの主であるヒッチハイカーのエリックは、実にその伏線のために登場したのかもしれない。(笑)

その後の展開はまあお約束どおりだが、そうと分かっていてもホロリとさせられるのは、有名な主題歌 Calling You のせいだろう。乾き切った砂漠に響く、ジェヴェッタ・スティールの透明で伸びやかな声が、心に沁み入るようだ。

8月6、8日 ジョグ10キロ

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