『スミス都へ行く』
1939年、米。フランク・キャプラ監督。ジーン・アーサー、ジェームズ・スチュアートほか。アマゾンの紹介文。
ある州の上院議員が病死、ただちに後任議員の指名が行われることになった。陰謀を企てる州選出の有力上院議員ペインらは、政界の事情を知らないボーイスカウトの少年団長スミスを議員に祭り上げる。ところが、故郷ウィレット河の少年村の建設案をめぐって、スミスは彼らの不正に気づく。いったんは失望して帰郷を決意したスミスだが、秘書サンダースに激励され、翌日の会議でペインたちのダム建設案の不正を暴く勇気に満ちた名演説を始める。(引用終わり)
実際のところ、スミスが行ったのは格調高い「名演説」などではなく、「フィリバスター」という長広舌である。日本語では「議事妨害」と訳される。休憩を挟まず、憲法全文でも何でもとにかく喋り続ければ、その間は議案採決を阻止できるというものである。
それと同時進行で、ダム建設推進派が彼を誹謗中傷するキャンペーンを繰り広げ、彼の演説を止めさせようとするが、スミスの身体を張った24時間近い演説は、ついにペイン上院議員の良心を動かすことに成功する。
全体的には勧善懲悪ものと言えるが、その結末に至るまでの過程では、ワシントン政界やマスコミの胡散臭さとか、そこに投げ込まれたスミスが味わった挫折がリアルに描かれている。一方では、父の友人だったペイン上院議員や、秘書サンダースとの関係性の変化も織り交ぜ、人間ドラマとしての奥行きも感じさせる。名作と言われる所以である。
映像はモノクロであるが、1939年製作とは思えぬほど美しい。スミスが一目惚れしたペインの娘との会話でドギマギする場面は、両人の顔のアップではなく、スミスが足元で愛用の帽子を何度も落としてしまうところだけを写す。スミスの心理状態を如実に表していて、大変印象的である。
7月31日 LSD20キロ
月間走行 174キロ
8月 2日 ジョグ10キロ
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