『花戦さ』
2017年、製作委員会。東映配給。野村萬斎主演。公式サイトの紹介文。
戦国時代末期、花と町衆を愛する風変りな男がいた。男の名は池坊専好。京都・頂法寺六角堂の花僧で、いけばなの名手だ。専好がいけた松は、岐阜城大座敷で権力者・織田信長の心を奪い、豊臣秀吉、千利休をもうならせた。 この男、人の顔と名前を覚えられないうえに、口下手である。その上、秀吉や利休など超有名人の眼前でも権力には全く興味なし! 花をいけることのみが彼の至福なのだ。
時は流れて・・・愛息・鶴松を亡くして正気を失った秀吉は圧政を敷いて、己に異を唱える者どころか陰口を言った町衆にさえも残忍な粛清を始める。死に追いやられた者の中にはともに美を追い求めた友人・利休や、専好を慕う町衆たちの姿もあった。愛する人々を守る為、そして、平和な世を取り戻すため、専好は天下人・秀吉に対して一世一代の大勝負に挑む。彼が手にしたのは刃(やいば)ではなく花だった・・・。 (引用終わり)
文禄3年、実在した華道家元・初代池坊専好が、秀吉を迎えた前田利家邸で巨大な松をいけ、秀吉から称賛されたという大砂物伝説に着想を得た、鬼塚忠原作の時代小説『花いくさ』を映画化。当然ながら池坊華道会が全面的にバックアップし、私のような素人が見ても見事な生け花を、映画の随所で披露している。昇り竜をイメージしたという大砂物など、奥行きまで感じられる映像美で再現している。
秀吉を諌めるため、花を武器に命がけの勝負に出た専好の作戦は果たして成功するのか。最後の対決シーンに向けて、様々な出来事が一点に収斂していきながら、緊張感を高めていく。架空の人物、れんの存在が伏線となって、最後でうまく回収されるところも良かった。
俳優陣では、主役の野村萬斎の千変万化の表情が特徴的だが、人によっては好き嫌いが分かれるかもしれない。秀吉役が市川「猿」之助とはシャレが利いている。他に、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、竹下景子といった大物俳優が流石の貫録を見せている。ただ、れん役の森川葵はいかにも現代的な顔立ちで、かなり違和感があった。
6月23日 ジョグ10キロ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント