『炎のランナー』
パリ・オリンピック陸上短距離で祖国イギリスに金メダルをもたらした2人の若者がいた。ユダヤの血をひいている為、言われなき差別と偏見を受けてきたハロルド。彼にとって走ることは偏見に勝利することであった。一方、宣教師の家に生まれたエリックは神のため、信仰のため走った……。(引用終わり)
あまりに有名なヴァンゲリスのテーマ曲以外、ほとんど知らなかったが、ランナーとしては死ぬまでに一度は観ておくべきだろうと思った。多少の脚色はあるものの、実話に基づいて製作された、一種のスポーツ・ドキュメント的な作品である。
しかし、単純なサクセス・ストーリーにとどまらず、ユダヤ人差別の問題や、信仰とスポーツの相克、さらにはプロを排除するアマチュアリズムといった、社会倫理的な背景にも力点が置かれ、作品に深みを与えている。
なお、ハロルドが一目惚れするオペラ歌手シビルが出演していたのは、「ミカド」というオペレッタで、そのロングラン公演が行われていたサヴォイ劇場に彼女を送るよう、彼の友人アンドリューが運転手に命じる場面がある。「ミカド」=天皇を冒瀆するような内容らしく、日本ではほとんど上演機会がない作品だ。
ところで、今日から東海道街道走りの最終回に出発するので、次回更新までしばしお待ちを。
4月16日 ジョグ10キロ
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