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2018/04/18

『炎のランナー』

Chariots1981年、英。ヒュー・ハドソン監督。アマゾンの紹介文。

パリ・オリンピック陸上短距離で祖国イギリスに金メダルをもたらした2人の若者がいた。ユダヤの血をひいている為、言われなき差別と偏見を受けてきたハロルド。彼にとって走ることは偏見に勝利することであった。一方、宣教師の家に生まれたエリックは神のため、信仰のため走った……。(引用終わり)

あまりに有名なヴァンゲリスのテーマ曲以外、ほとんど知らなかったが、ランナーとしては死ぬまでに一度は観ておくべきだろうと思った。多少の脚色はあるものの、実話に基づいて製作された、一種のスポーツ・ドキュメント的な作品である。

しかし、単純なサクセス・ストーリーにとどまらず、ユダヤ人差別の問題や、信仰とスポーツの相克、さらにはプロを排除するアマチュアリズムといった、社会倫理的な背景にも力点が置かれ、作品に深みを与えている。

なお、ハロルドが一目惚れするオペラ歌手シビルが出演していたのは、「ミカド」というオペレッタで、そのロングラン公演が行われていたサヴォイ劇場に彼女を送るよう、彼の友人アンドリューが運転手に命じる場面がある。「ミカド」=天皇を冒瀆するような内容らしく、日本ではほとんど上演機会がない作品だ。

ところで、今日から東海道街道走りの最終回に出発するので、次回更新までしばしお待ちを。

4月16日 ジョグ10キロ

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2018/04/15

肉体的援助

少女相手にいかがわしい行為に及ぶという話ではない(笑)。野球の話である。

昨日、佐藤薬品スタジアム(県営橿原球場)でオリックス対ソフトバンクのウェスタンリーグ公式戦があり、約4年ぶりの野球観戦に出かけた。試合そのものは両軍とも投手の制球が定まらず、締りのない乱打戦になってしまったが、途中で珍しいプレーが起きたのだ。

詳しくは覚えていないが、試合中盤のソフトバンクの攻撃で、二塁走者グラシアルが、後続打者のライト前ヒットで一挙本塁を陥れようとし、これを制止しようと両手を広げる三塁ベースコーチ井出と接触してしまったのだ。グラシアルはそのまま本塁に突入するも、はるか手前で捕手にタッチされてアウト。

…と思いきや、しばらくして主審梅木が場内放送のマイクを持ち、「ベースコーチが走者を肉体的に援助したと判定し、走者アウトで試合を再開する」旨の説明を行ったのだ。「肉体的援助」などという反則は初めて聞いたが、公認野球規則 6.01(a) 8 によれば、「三塁または一塁のベースコーチが走者に触れるかまたは支えるかして、走者の三塁または一塁への帰塁あるいはそれらの離塁を肉体的に援助したと審判員が認めた場合」、走者によるインターフェア(守備妨害)が宣告され、走者はアウトとなる。

マラソンでも選手に接触すると「助力」とみなされ、失格となることがあるのと同じようなものだろうか。調べてみると、何年かに一度起こるぐらいの珍プレーのようだ。井出コーチは実は2012年にも一軍公式戦で同じ反則を犯しているが、今回に限ってはコーチの制止を無視したグラシアルに非があると思う。もしハリさんが監督だったら、「喝!」と叫んで、即座に選手交代を告げただろう。

写真はそのプレーの時のものではない。それにしても、もう名前を知っているのは監督・コーチ陣しかいなくなってしまった。(泣)

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4月13日 ジョグ10キロ

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2018/04/12

『わたしを離さないで』

Nlmg2010年、英米。カズオ・イシグロの同名小説の映画版。allcinema の紹介文。

緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校“ヘールシャム”。そこは、牧歌的な田園地帯にありながら外界からは完全に隔絶され、徹底した管理が行われている謎めいた施設だった。そんな静かで整然とした環境の中で、幼い頃からずっと一緒に育ってきたキャシー、ルース、トミーの仲良し3人組。やがて18歳となった3人はヘールシャムを卒業し、農場のコテージで共同生活を送ることに。初めて接する外の世界に不安や喜びを感じていく3人。そして、いつしかルースとトミーが恋人になったことで3人の関係も終わりを迎えようとしていたが…。(引用終わり)

同じカズオ・イシグロ原作で、以前『日の名残り』を観たが、とても同じ作家と思えないほど全く違うジャンルの作品なのに、それぞれ独特の作品世界にどっぷりと浸らせてくれる。さすがはノーベル賞作家だけのことはある。

ネタバレになるので肝心のところはほとんど何も書けないが、平均寿命が100歳を超えた架空世界(パラレルワールド)というSF的な設定を使いながらも、内容的にはとても切ないヒューマンドラマというところが秀逸である。映像、音楽ともに大変美しく、そして哀しい。

平均寿命がいくら延びても、人間はいつか死ぬ。それは誰にとっても避けられないことなのだ。ラスト近くの、「よく分からないのは、私たちの命が、私たちが救う人々の命とそんなに違うのかということだ。皆、“終了”する。たぶん誰もが人生を本当には理解せず、また十分長く生きたと感じないままに」(筆者試訳)というキャシーの独白が心に迫った。

ところで、同じ原作で日本でも2016年にテレビドラマ化されている。主役3人は綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみというのだが、この映画を観た後となっては、観てみたいような観たくないような。(苦笑)

4月10日 ジョグ10キロ

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2018/04/09

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』

Dances_21990年、米。ケビン・コスナー監督、主演。allcinema の紹介文。

1863年、南北戦争の激戦地。その自殺的行為から英雄となり、殊勲者として勤務地を選ぶ権利を与えられたジョン・ダンバーは、当時の最西部で、かねてより興味を持っていたダコダにあるセッジウィック砦を望んだ。常人なら孤独に耐え兼ね、精神を病んでしまうような荒野に、次第に魅了されてゆくダンバー。彼は、愛馬シスコとトゥー・ソックスと名付けた野性の狼と共に、不思議に満ち足りた日々を送り始める。ひと月が経った頃、ダンバーはシスコを盗みに来たインディアンを追い払った事から彼らと次第に交流を深めるようになる。やがて、インディアンに育てられた白人女性と恋に落ちたダンバーは、“狼と踊る男”という名をもらい、侵略者である白人から彼らを守ろうと努力するが……。(引用終わり)

馴染みのない西部開拓時代の話に加え、3時間という長尺ゆえこれまで敬遠していた作品だが、観る価値は十分ある映画だった。

何より、白人=善、インディアン(ネイティブ・アメリカン)=悪という、かつてのハリウッド映画のステレオタイプにとらわれず、インディアンの側から西部開拓時代の真相を描いた点は革新的である。その内容から当初は原作小説の出版が拒否されたそうだが、コスナーは私財を擲って製作を敢行、結果的にアカデミー賞7部門を受賞する大成功となった。

無人の砦で次第に自分の存在理由に疑問を持ち始めた主人公が、近隣のスー族と交流を始める中で、自然と同化した彼らの生き方に強く惹かれ、次第に溶け込んでいく様子が丹念に、そして美しい映像を通して描かれる。バファローを狩る場面は大変な迫力があり、また白人ながらスー族の一員となった女性とのラブロマンスありと、長い尺だが全く飽きさせることがない。

レンタルで観たので特典映像は全くなかったが、バファロー狩りや狼の調教など、製作の舞台裏を紹介したメイキング映像があれば観てみたいものだ。いや、もしかしてあれはCGなのかな?(笑)

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2018/04/06

『そこのみにて光輝く』

Sokonomi2014年、製作委員会。綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉ほか。アマゾンの紹介文。

ある出来事がきっかけに仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごしていた佐藤達夫(綾野剛)は、ある日パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田将暉)と知り合う。拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように存在している一軒のバラックだった。そこで達夫は拓児の姉・千夏(池脇千鶴)と出会う。
互いに心惹かれ、二人は距離を縮めていくが、千夏は家族を支えるため、達夫の想像以上に過酷な日常を生きていた。それでも、千夏への一途な愛を貫こうとする達夫。達夫のまっすぐな想いに揺れ動かされる千夏。千夏の魂にふれたことから、達夫の現実が静かに色づきはじめ、達夫は失いかけていたこの世界への希求を取り戻していく。そんなとき、ある事件が起こる――。(引用終わり)

原作者の佐藤泰志は何度か芥川賞候補に上りながら、各賞に縁がないまま41歳で自殺した不遇の作家という。自身の出身地函館を舞台に、どん底の環境に生きる千夏と拓児の姉弟と、死亡事故の責任を感じて仕事を辞めた達夫との魂の触れ合いを描く。

全体にとても暗いストーリーに加えて、セリフが極端に少ない長回し、くすんだような色合いの映像(撮影近藤龍人)は、全く独特の作品世界を作り上げている。一時は三人で乾杯するほどに好転の兆しが見えるが、それは映画の中では実現しないままでエンドとなり、もうどこにも救いがないように思える。

達夫と千夏が海岸で見つめ合いながら、泣き笑いのような微笑を浮かべるラストシーンも、決して明るい希望を感じさせるものではない。しかし、開き直りというのか、人は自らの置かれた環境で何とかして生きていくしかない。その際、心から理解しあえる相手が近くにいれば、たとえそこ(底)であっても、むしろそこだからこそ光輝く、という象徴的なシーンであるのかもしれない。

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2018/04/03

奈良お花見マラニック

この日曜日、ラン仲間のKさんHさんと奈良お花見マラニックに出かけた。以前は吉野山まで往復40キロ強を走ったりしたものだが、さすがにもうそんな元気はなく、奈良市内のほぼフラットな16キロほどのコースを、満開となった桜を愛でながら走るという、かつてなくユル~いマラニックとなった。

平城宮跡から鴻池運動公園、東大寺、春日大社、浮御堂などを回ったが、とりわけ桜が見事だったのが鴻池陸上競技場(ならでんフィールド)付近だった。競技場裏手の小高い丘の斜面に植わった桜がちょうど満開で、水平にも垂直にも連なった桜は、どこか吉野山のような風情である。

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確かこの付近に奈良地方気象台があって、ソメイヨシノの標本木もこの辺りのどれかなのだと思っていたが、帰ってから調べてみると、昨年3月に気象台は西紀寺町に移転していて、現在の標本木もその付近にあるそうだ。開花、満開の時期が先代に近い木を選んだということである。

ところで、先月末から腰痛に見舞われていて、回復の兆しが見られない。しばらくは大人しくしていようかと思っている。

4月1日 LSD16キロ

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