『重力ピエロ』
2009年、製作委員会。引き続き、伊坂幸太郎の小説の映画版。ただし、監督は森淳一。加瀬亮、岡田将生他。アマゾンの紹介文。
遺伝子研究をする兄・泉水と、自分がピカソの生まれ変わりだと思っている弟・春。そして、優しい父と美しい母。平穏に、そして陽気に過ごすこの家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった時、事件は始まる。謎の連続放火事件と、火事を予見するような謎の落書き(グラフィティアート)の出現。落書きと遺伝子暗号の奇妙なリンク。春を付け回す謎の美女と、突然街に帰ってきた男。すべての謎が解けたとき、24年前から今へと繋がる家族の"謎"が明らかになる―(引用終わり)
グラフィティアートに秘められた謎のメッセージとか、連続放火事件との関連性とか、思わせぶりな仕掛けがたっぷりだが、結局のところは単純な復讐物語であり、最後まであっと驚くような展開はない。
ただ、普通あり得ないような兄弟の間の愛情、それを温かく見守る父親の目線といったあたりが、この悲惨な物語をかなりな部分で救っている。「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」。そして、「楽しそうに生きていれば地球の重力なんて消してしまえるんだ」と。
一方、元連続レイプ犯役の渡部篤郎は、常人には全く理解不能な思考過程を楽しそうに語りながら、ゾクゾクするような恐ろしさを感じさせる名演技を見せている。本当の悪人というのはこんな感じなのかもしれない。
3月26、28日 ジョグ10キロ
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