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2018/03/07

『深夜の告白』

Doubleindemnity1936年、米。ビリー・ワイルダー脚本・監督。レイモンド・チャンドラー共同脚本。アマゾンの紹介文。

深夜のロサンゼルス。フルスピードで走ってきた車がパシフィック保険会社の前で止まり、肩をピストルで射ぬかれた勧誘員ウォルター・ネフがよろめきながら下りてきた。彼は会社の自室に入り、テープレコーダーに向かって上役バートン・キーズに宛てた口述を始めた。数カ月前、ウォルターは会社に自動車保険をかけているディートリチスンを訪ねたが不在で、夫人のフィリスに会った。翌日フィリスはウォルターのアパートを訪れ、夫を殺してそれを事故死と見せ、倍額保険を取ろうともちかけた。足を怪我したディートリチスンは、近く開かれるスタンフォード大学の同窓会へ汽車で行く予定だった。最初は当惑するウォルターも、フィリスの肉体の魅力に負けて、ついに計画を手伝う破目になった。保険に入ろうとしないディートリチスンからサインを詐取して保険証書を作った2人は、犯行当夜のアリバイを作って実行に入るのだが… (引用終わり)

邦題とジャケットから、恋愛ものかと思っていたが、原題 Double Indemnity は列車事故などの際に保険金が倍額になるという保険条項のことで、それを利用した殺人事件を巡るサスペンス映画であり、魔性の女により犯罪に巻き込まれた保険セールスマンの悲劇というフィルム・ノワールでもある。

クライマックスで銃撃されたウォルターが会社に戻って来て、事件の顛末を録音機(上記紹介では「テープレコーダー」とあるがそうではなく、「ディクタフォン」と呼ばれる蝋管式録音機である)に吹き込むところから始まる。『刑事コロンボ』と同じく倒叙法という手法だが、そう言えばキーズのねちこい追及ぶりは、コロンボのモデルとなったのかもしれない。

列車事故を偽装した殺人事件の顛末は手に汗握るし、何とかやりおおせたものの真相がバレないか心配する犯人たちの心理もヒリヒリとさせられる。「共犯者は墓場行きの路面電車に一緒に乗っているようなもの。どちらも終点まで途中下車は出来ない」というキーズの言葉が印象的だ。最初から結末がある程度分かっているのは若干興ざめだが、この時代としては良く出来たサスペンスだと思う。

ただ、肝心の偽装殺人のトリックが若干お粗末である。きちんとした鑑識と検死が行われれば、本当の死因は簡単に判明するだろうし、線路脇にも何らかの痕跡が残っているはずである。

もうひとつ、ロサンゼルスの有名な野外音楽堂ハリウッド・ボウルのことを「ボウリング場」と訳した字幕もお粗末である。確かにウォルターがボウリングをして気分転換するシーンはあるが、当該場面ではちゃんと背景に音楽堂が映っていて、シューベルトの未完成交響曲が流れているのだから分かりそうなものだ。

3月6日 ジョグ10キロ

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