プロコフィエフ交響曲全集
プロコフィエフの交響曲と言えば、これまで第1番「古典交響曲」と第5番しか聴いたことがなく、それもいまいちピンと来ていなかった。最近、自分の音楽理解がようやく20世紀に入り、少し前にショスタコーヴィチをまとめて聴いたので、今回はプロコフィエフにチャレンジしてみた。
初めて聴いた中でも第3番、第7番とやはり奇数番号の曲がなかなか面白かった。特に第7番は、第1楽章に出てくるオモチャ時計のような主題が最終楽章でも再現されて、静かなエンディングに繋がるところが印象的だった。
ちょうど、ショスタコーヴィチの最後の交響曲第15番が、同じように子供時代を回想するような感じの終わり方であるのと似ている。もしかすると人間が死ぬ時に聞こえてくるのは、そういう音楽なのだろうか。
ただ、両者の音楽を比較すると、モダニズムや多彩な管弦楽法など共通する部分も数多いけれど、プロコフィエフは少し早く19世紀に生まれただけあって、ショスタコーヴィチに比べるとまだまだ調性音楽に軸足を残しているように思われる。
いわゆる社会主義リアリズムの要請に応えたものだろうが、風刺や皮肉を隠したショスタコーヴィチの音楽に比べれば、より直截的というか素直な音楽で、一般大衆にも受け入れやすいことは確かだろう。
いずれにしても、聴いて面白い音楽であることは良いことだ。管弦楽曲や協奏曲など、まだ聴いていない彼の作品は数多い。今後の楽しみがまた増えた。
2月16日 ジョグ10キロ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント