『真昼の決闘』
1952年、米。ゲイリー・クーパー、グレイス・ケリー他。アマゾンの紹介文。
1870年、舞台はのどかな町・ハドリービル。その町の保安官ウィルがエミーという美しい女性と結婚式を挙げる。ところが、喜ばしい雰囲気もつかの間、なんとウィルがかつて逮捕した無法者達がこの町にやってくるとの知らせが入る。ウィルは様々な思いを交錯させた末、彼らとの対決を決意する! だが、戦いに否定的な新妻エミーは一人町を去ろうと駅へ向かう。ウィルは猛暑の町を歩き回り協力者を求めるが、臆病で利己的な住民たちはその門を閉ざす。決闘の時間の正午は刻一刻と近づき、ついに駅に列車が到着、町を去るエミーが列車に乗り込むと同時に、ウィルへの復讐に燃える無法者達が降り立った!!誰の助けも得られなかったウィルは、一人で無法者達との決闘の場に立つ…(引用終わり)
西部劇としては異色の作品である。主人公の保安官ウィルは決して無敵のヒーローではなく、悪漢達との対決を決意しながらも、一旦は馬を借りて逃走しようかと迷う、弱さを持った普通の人間である。協力者を探し求めて、額に汗を滲ませ町を彷徨う表情はどこか虚ろですらある。
さらに、彼に対する町の人々の態度が冷淡というか、大変現実的である。保安官が厳しくて商売の邪魔だったと言い放つ人間もいて、いろいろと口実を並べては協力することを拒み、その挙句に出した結論が、彼に一刻も早く町から逃げろというものだった。
新婚の妻にまで町を去られ、結局一人で4人を相手にすることになり、クライマックスの対決の場面に向けて緊張感が一気に高まる。結末は大体予想どおりのものだが、しかしそれは決して高揚感やカタルシスを味わえるものではなく、むしろどこか後味の悪い、重い課題を突き付けるかのような静かな幕切れである。
1月23日 ジョグ10キロ
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