『新約聖書を知っていますか』
いえ、知りません(笑)。で、読んでみた。阿刀田高著。版元の紹介文。
新約聖書の冒頭で、マリアの夫ヨセフの系図を長々と述べているのはなぜでしょう。処女懐胎が本当ならば、そんなことはイエスの血筋と無関係のはずです。ところで、聖書の中に何人のマリアが登場するか知っていますか? ではヨハネは? そして、イエスの“復活”の真相は? 永遠のベストセラー『新約聖書』の数々の謎に、ミステリーの名手が迫ります。初級者のための新約聖書入門。(引用終わり)
還暦を前にして突如として信仰に目覚めた、というわけではない。西洋文化の根底にある聖書について、これまでほとんど何も知らないまま過ごしてきて、死ぬまでにひと通りのことは勉強しておきたいと思っていた。作者自身、「エピローグ」の中で、「私は信仰を持たない」と断りつつ、本書を著した動機についてこう書いている。
欧米の文化に触れるとき、聖書の知識は欠かせない。(中略)演劇も映画も、ときには音楽でさえ聖書の知識がなければ理解できないものがある。そんな不自由さを少しでも軽減してくれる読み物はないものだろうか。(中略)自分が知りたいことを書く、これは概説書をあらわす基本的な姿勢といってよいだろう。
その上で、「数えきれないほど多くの文献」を渉猟し、イスラエルやイタリアなど現地にも赴き、10年の年月を費やして執筆されたものである。そうした努力の結晶である本書は、決して堅苦しい学術書ではなく、平易な文体で書かれたエッセイであり、時にはくだけた表現も交えてとても読みやすい。
おかげで新約聖書の大まかな構成と概要について把握することが出来た。今後もいろんな角度から聖書やキリスト教について勉強を続けていきたい。ただ、阿刀田氏とは違い、「いつか私も信仰を持つ日があるかもしれない」とは到底思えないが。(苦笑)
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