« 年賀状 | トップページ | 家飲み忘年会 »

2017/12/21

『サバイバルファミリー』

Survival2017年、アルタミラピクチャーズ他。東宝配給。矢口史靖脚本、監督。小日向文世、深津絵里他。KINENOTEの紹介文。

東京に暮らす鈴木家では、お母さん(深津絵里)が話しかけてもお父さん(小日向文世)はテレビに見入り、無口な息子(泉澤祐希)はヘッドホンをつけ音楽に夢中、娘(葵わかな)はスマートフォンを手放せず、一緒にいてもどこかバラバラだった。ある朝、テレビや冷蔵庫の電化製品、スマートフォンにパソコンといった通信機器、さらに電車や自動車、ガス、水道など、乾電池を使うものも含め電気を使うあらゆるものが突如動かなくなってしまう。単なる停電とは言えないこの異常事態は、一週間経っても続いたまま。情報も絶たれ、不自由な生活に困り果てる人々。ついに父は東京脱出を決断。生き残りを賭けたサバイバルライフがはじまる。(引用終わり)

単なる停電ではなく、バッテリー、乾電池から車の点火プラグに至るまで、およそ「電気」を使うもの全てが突然使えなくなるという設定がミソだ。停電だけなら、ガソリンがなくなるまでは車で移動し、車の中で暖を取って生活することも可能だからだ。最近では家に電気を供給できる車だってある

あらゆるライフラインがストップし、使えるものと言えば自転車、蒸気機関車、井戸水、薪燃料など。100年以上前のライフスタイルへの回帰を余儀なくされることになるが、本作のテーマは反原発でも文明批判でもないだろう。矢口監督自身が公式サイトで述べているとおり、「本筋は家族再生の物語」なのだ。

鈴木一家は、このパニックを通じて否応なしにお互いと真剣に向かい合い、そこからやがて本当の家族の絆が生まれる…。というお話だとすれば、事象発生前の「どこかバラバラだった」家族とは一体何なのか。この一見面白おかしい映画が発する問いかけは、意外に深いものがあると思う。

|

« 年賀状 | トップページ | 家飲み忘年会 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『サバイバルファミリー』:

« 年賀状 | トップページ | 家飲み忘年会 »