吉井瑞穂、N響に客演
昨日放映されたNHKクラシック音楽館はN響第1868回定期で、曲目はブラームスの交響曲第3番と第2番、指揮はクリストフ・エッシェンバッハ、コンサートマスターは篠崎史紀である。ただ、オーボエのトップはいつもの青山聖樹や茂木大輔ではなく、長い茶髪を後ろにまとめた若い女性が吹いている。
見覚えのある顔だと思ったらやはりそうで、マーラー室内管弦楽団(MCO)の首席、吉井瑞穂その人だった。N響でトップを張れる女性奏者と言えば、私の知る範囲ではこの人しかいない。N響がついにスカウトしたのかと思いきや、実は青山、茂木両氏は事情があって出演出来ず、偶然日本にいた吉井に客演の要請があったようである。
思えば、2006年のMCOの京都公演(メインは同じブラームスの第2番!)で初めてこの人の演奏に接して大変驚いたものだが、もうあれから11年になるのだ。2014年にはベルゲン国際フェスティバルのMCO演奏会でも実演に接した。既にベルリン・フィルやバイエルン放送響ほかドイツの主要オケに客演するなど、確実にキャリアを重ねてきたようだ。
演奏はお見事の一語に尽きる。N響との共演はおそらく初めてと思うが、元々オケの一員であったかのように、全く違和感なく溶け込んだ上で、ちゃんと彼女自身の表現が出来ている。およそプロ奏者であれば、初顔合わせでも破綻のないアンサンブルは出来るだろうが、彼女の場合はそんな次元ではなく、音楽的にもっと高度なレベルでそれを成し遂げている。N響メンバーも今回の共演が楽しかったに違いない。終演後には楽員からもひと際大きな拍手を受けていた。
既に結婚していて、お子さんもいるらしい。「欧州~鎌倉を行ったり来たり」の生活には苦労もあるだろうが、今後ますますの活躍を期待したい。
11月13日 ジョグ10キロ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント