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2017/10/04

『許されざる者』

Unforgiven_41992年、米。クリント・イーストウッド監督、主演。ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン他。アマゾンの紹介文。

19世紀末のワイオミング。かつては列車強盗や殺人で悪名を馳せていたウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)も、今は農夫として2人の子供とひっそり暮らしていた。そんな彼のもとに、若いガンマンが賞金稼ぎの話を持ちかける。躊躇したマニーだが、今の生活では子供達を育てることはできない。彼は二度と握らないと誓った銃を手にすることを決意し、昔の相棒ネッド(モーガン・フリーマン)とともに、3人で町へと向かった。だが町では恐るべき保安官ビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)が彼らを待ち受けていた――。(引用終わり)

普通の西部劇であれば、主人公マニーがヒーローで、悪役の保安官ビルをやっつける物語…となるところだが、本作はそれほど単純ではない。

マニーにしても、かつては冷血の凶悪犯であったし、丸腰の男を撃ち殺したことで、ビルから「最低の卑怯者」と罵られる始末だ。一方のビルも、町の治安を守るために体を張って頑張っていると言えなくもない。誰が善人で誰が悪人かなど、簡単に色分けできるものではない。

本作は西部劇の体裁を取りながら、単なる勧善懲悪劇の次元を超えて、西部開拓時代の現実を残酷なまでに再現してみせた作品である。度重なる暴力シーンはそれを描写するために不可欠なものだ。しかし、その暴力が生みだすものは人間性の崩壊しかなく、最も許されざるものは暴力だというメッセージが伝わってくる。

マニーが町を立ち去る際の、「女たち(娼婦)をもっと人間らしく扱え!」という最後の台詞ともあわせて、この作品はすぐれて現代的な意義を持っている。一部に言われるような「最後の西部劇」とか、「西部劇を殺した」という評価は、全く当を得ていないように思う。

10月3日 ジョグ10キロ

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