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2017/07/18

『ルートヴィヒ』

Ludwig_2ネタが夏枯れで、また映画ブログになっている。(苦笑)

1972年、伊・西独・仏。ルキノ・ヴィスコンティ監督。アマゾンの紹介文。

19世紀、18歳でバイエルン国王に即位したルートヴィヒ2世は音楽家ワーグナーに傾倒し、国の予算を危険にさらすほどの援助を施す。従姉のオーストリア皇后エリーザベトに恋い焦がれるもその恋は叶わず、彼女の妹ゾフィーと婚約するもこれを破棄。さらに戦争を嫌った彼は前線に弟のオットーを送り出すもののその弟は帰国後、精神を病んでしまう。
数々の苦渋に苛まれた彼はいよいよ厭世的になり、美男の従僕たちとの退廃的な暮らしに耽溺。国王の役目を果たさないことに業を煮やした官僚たちは、彼から王位を引きはがそうと画策し始める……。(引用終わり)

「狂王」ルートヴィヒ2世の生涯を忠実に再現した伝記映画で、王の自殺事件の調査に応じる関係者の証言を交えて進行する。公開当初カットされた部分を復元した1980年の「復元完全版」は実に237分という長尺で、戦争や大きな事件が起きるわけでもなく、登場人物が延々と会話しているシーンが多いので、正直眠気を催すこともあった。

ヴィスコンティ監督作品らしく、絢爛豪華な衣装や調度品など、正に動く絵画を観ている気分である。ノイシュヴァンシュタインやリンダーホーフ、ヘレンキームゼーなど、王が実際に建築した城でロケが行われたこともあり、バイエルン王国の当時の威光を、現実の映像として観ることが出来る。

次第に精神の異常を来していく王の内面を窺わせるヘルムート・バーガーの迫真の演技、王の永遠の憧れであったエリーザベトを演じたロミー・シュナイダーの凛とした美貌が、この映画が最大のみどころだが、音楽ファンとしてはワーグナーが出てくるシーンが興味深い。「トリスタンとイゾルデ」初演の経緯や、バイロイト祝祭劇場の建設計画、さらには「ジークフリート牧歌」がクリスマスの朝にワーグナー家の階段で初演されるシーンなど、ここだけ取ればワーグナーの伝記映画でもあり、ワグネリアンは必見の映画だろう。

7月16日 LSD20キロ
7月18日 ジョグ10キロ

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