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2017/06/21

『セトウツミ』

Setoutsumi2016年、製作委員会。大森立嗣監督。池松壮亮、菅田将暉他。公式サイトの紹介文。

高校二年生の内海想(池松壮亮)と瀬戸小吉(菅田将暉)は、放課後をいつも河原でダラダラと喋りながら一緒に過ごす。性格は真逆のような内海と瀬戸だが、くだらない言葉遊びで盛り上がったり、好きな女の子に送るメールの文面で真剣に悩んだり、ときにはちょっと深いことも語り合ったり……二人でいれば中身があるようでないような話も尽きない。そんな二人を影ながら見守っているのは同級生の樫村一期(中条あやみ)だ。瀬戸は樫村のことが好きだけど、樫村は内海が気になっていて、内海はそんな樫村につれない素振り。さらにヤンキーの先輩鳴山(成田瑛基)や謎のバルーンアーティスト(宇野祥平)たちが、二人の日常にちょっとした波風を立てていく。まったりと流れる時間の中で移り行く季節。瀬戸と内海の無駄話は止まらない・・・。(引用終わり)

原作は同名のコミックで、何かの符号みたいなタイトルは、瀬戸君と内海君の名前を繋げたものだ。ちなみに元サッカー部の瀬戸君のチームメイトは大橋君といい、また、樫村一期さんの妹は一会さんという。登場人物の名前からしてひと捻り効いている。(笑)

第0話から第6話までとエピローグ、計8つのショートストーリーからなり、紹介文にあるように、基本的に男子高校生二人が川辺の小公園の石段に腰掛け、他愛もないことを喋っているだけの映画なのだが、その独特の間と絶妙の遣り取りについつい見入ってしまう。そんな不思議な魅力をもった作品だ。

変な連想かもしれないが、同じように絶妙な間合いの脱力系アニメ『紙兎ロペ』に通じるものがあると思う。ロペたちも同じく高校生という設定だし、「フシがある選手権」とか、実際アキラ先輩が言い出しそうな遊びだ。(笑)

WOWOWで解説していた小山薫堂という人も、「朝の3分ぐらいのドラマで毎日見ていきたい感じ。その集大成が映画になるとかね…」と言っていたが、もしかすると彼もロペのことが念頭にあったのかもしれない。

ちなみに、映画のロケ地は堺市内で、自分が小学校卒業まで住んでいた場所から近く、大変懐かしい思いを抱いた。大阪出身の菅田将暉、中条あやみは当然として、福岡出身の池松壮亮の大阪弁も意外にサマになっていた。

6月20日 ジョグ10キロ

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2017/06/18

屋敷神

「やしきがみ」と読む。前回の東海道街道走りのときに、民家の敷地に小さな祠が祭られているのを見て、何かの信仰と関係があるのだろうかと書いたが、やはり神様(おそらくは祖先神)を祭っているものと判明した。

古来不吉な方角とされる北西の角に置かれる場合が多く、確かに西向きに街道を走っていて、左側の家の角にだけあったと記憶している。陰陽道の影響で北東の場合もあるそうである。旧街道沿いにはやはり古い家が多いと見え、そうした古来の風習が今に残っているのであろう。

自分自身は生まれた時から団地育ちで、そうした風習にはトンと疎い人間だが、それにしても関西でこうした祠を民家の庭先で見かけたことがない(会社などで敷地の一角に稲荷を祭ってある例はよくあるが)。浄土真宗の地域では屋敷神はないそうで、それに該当するのかもしれない。

6月16日 ジョグ10キロ
6月18日 LSD40キロ

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2017/06/15

『パトリオット・デイ』

Ts3r00222016年、米。ピーター・バーグ監督。マーク・ウォールバーグ、ケヴィン・ベーコン他。公式サイトの紹介文。

2013年4月15日。殺人課の刑事トミー(マーク・ウォールバーグ)は朝からボストンマラソンの警備に駆り出されていた。オリンピックの次に歴史の古いこのマラソン大会は、毎年祝日である“愛国者の日”に開催され、117回目を迎えるこの日も50万人の観衆で賑わっていた。
次々と走者がゴールインする最中、トミーの背後で突如大爆発が起こる。歓声は悲鳴に変わり、逃げ惑う人々と折り重なって倒れる負傷者で現場はパニックとなった。到着したFBIのリック(ケヴィン・ベーコン)は現場に散乱した金属片を見ると「これはテロだ」と断言。テロだとFBIに管轄が移る。犯人逮捕に燃えるトミーは歯ぎしりをするが、病院を回って負傷者たちの話を丁寧に聞いてまわるのだった。
やがて監視カメラに映る不審な“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”が容疑者として浮上し、事件はアメリカ全土を揺るがす緊迫の事態へと発展していくのだった……。(引用終わり)

劇場で映画を観るのは久しぶりだ。ボストンマラソンは2005年の第109回大会に参加し、また、事情が許せばこの2013年の大会にも参加していたかもしれなかった。それだけに、この事件はとても他人事とは思えず、大きな関心をもって事態の推移を見ていた。

当時感じたとおり、犯人逮捕に向けた警察、FBIの文字通り総力を挙げた捜査が、非常にリアルにかつ詳細に描かれている。巨大な倉庫か何かを借り切って設営された捜査本部の規模といい、その徹底ぶりは想像をはるかに超えていた。他方、犯人の抵抗ぶりも想像以上で、そのまま逃亡していたらNYのタイムズスクエアでも同様の事件を企てていたと知り、背筋が寒くなる思いだった。

もう1点、日本なら後ろ向きの話ばかりになるところを、事件を契機にかえってボストンの人々の団結心、故郷愛が強まり、前を向いて進んで行こうという機運が生じたことに改めて感銘を受けた。ただ、エンディングの「それは愛の力だ」とかいうナレーションはいかにも余計だ。それまでの様々なシーンを通じて、それはもう十分に語られているのだから。

6月14日 ジョグ10キロ

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2017/06/12

『スワロウテイル』

Swallowtail1996年、製作委員会。岩井俊二監督。三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介他。ウィキペディアの紹介文。

"円"が世界で一番強かった時代。一攫千金を求めて日本にやってきた外国人達は、街を"円都(イェン・タウン)"と呼び、日本人達は住み着いた違法労働者達を"円盗(イェン・タウン)"と呼んで卑しんだ。そんな円都に住む、円盗たちの物語である。
少女・アゲハ(伊藤歩)は、円都の娼婦であり唯一の肉親である母が死んでしまい、行き場がなくなってしまう。母の同僚の無責任な大人達にたらい回しにされる中、娼婦グリコ(Chara)の元に引き取られる。胸に蝶のタトゥーをつけ美しい歌を歌うグリコは、それまで名前がなかった彼女に"アゲハ"の名前を与える。グリコもまた、"円"を夢見て上海から日本にやってきた円盗だった。彼女の周りにいるのも、彼女と同じように円を求めて日本にやってきた円盗達だ。アゲハが彼らと共に過ごして数日経ったある日、アゲハを強姦しようとしたヤクザを誤って死なせてしまう。彼の体内には一万円札の磁気データが記録されたカセットテープが入っていた。
ひょんなことから一攫千金のチャンスを得た彼ら。データを元に作った偽札で儲け、グリコは歌手としての道を歩むが……。(引用終わり)

前に観た同じ監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』より20年も前に製作された作品だが、本作においてもやはり、先の全く読めないスリリングな展開、美術作品のような陰影深い映像、音楽を巧みに織り込んでいるところなど、どこをとっても独特の世界観に貫かれている。

近未来の架空都市「円都」を舞台に、偽札作りをめぐる裏社会の暗闘や、「円盗」たちの危うげなサクセスストーリーとその挫折、それらに巻き込まれる中での天涯孤独の少女アゲハの人間的成長を描いている。

そうした全体の筋書きもさることながら、個々のシーンのディテールがいちいち凄くて、大変なインパクトを与える(例えば、「阿片街」の凄絶な光景!)。自分としては珍しく、148分の長尺を一気に観終えてしまったが、機会があればもう一度観てみたいと思わせる作品である。

なお、タイトルの「スワロウテイル」はアゲハチョウの英語名 Swallowtail Butterfly から来ている。最初、アゲハの胸にグリコが悪戯で書いた芋虫が、蝶になって飛び立つさまを暗示しているのかもしれない。

6月10日 LSD20キロ
6月12日 ジョグ10キロ

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2017/06/09

キトラ古墳

明日香村のキトラ古墳の壁画が公開されているというので見に行ってみた。今回は第3回目で、先月14日から今月11日までの公開ということである。会期末近くの平日ということもあって、予約なしでも当日受付で入場できた。

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何年か前、飛鳥一円を走った際に立ち寄った時は大がかりな整地、建設工事の真っ最中だったが、ご覧のように立派な施設が出来ていた。丘陵地を生かして、地上地下どちらからでも入れる構造だ。

今回は青龍などが描かれた東壁の実物が公開されていたが、さすがに撮影はNGである。これは展示施設の実物大レプリカである。壁画そのものは驚くほど小さい。実物の青龍は肉眼ではかなり見づらかった。

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もともと古墳があった場所には、当時の円墳の姿が再現されている。これも、実物は意外なほどコンパクトであることに驚いた。

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駐車場には他府県ナンバーの車が多かった。ふと思いついてすぐ見に行ける場所に住んでいる有難さを改めて感じた。

6月8日 ジョグ10キロ

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2017/06/06

ダイトレデビュー

遅まきながら、ダイヤモンドトレールを初めて体験した。これまで何となく食わず嫌いというのか、S先生のようなバリバリのトレールランナーたちの天下というイメージがあって、お誘いは何回か受けていたもののずっとパスしていた。しかし、今回はラン友Tさんの「べっぴんさん2人が参加する」という巧妙な誘惑につい乗ってしまった。(笑)

コースは二上山麓の道の駅「ふたかみパーク」をスタートし、葛城山、金剛山を経て、行者杉峠の先で下山、南海天見駅に至る約35キロである。昨年は雨だったそうだが、今年は梅雨入り前の爽やかな晴天で、暑くも寒くもない絶好のコンディションに恵まれた。

写真は水越峠から前方に見える金剛山に向かう途中である…と思う(笑)。ふだん自宅周辺から眺めている山並みの上を縦走しているのかと思うと、ちょっと不思議で新鮮な感動があった。

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ただ、コースとしてはかなりハードで、特に階段状の下りが延々と続く箇所では膝に負担がかかり、俗に言う「膝が笑う」状態になってしまった。幸い、最後まで何とか走り切れたものの、翌日からはふくらはぎのひどい筋肉痛に悩まされている。2、3日経ってからでないのは、まだまだ若いというより、それだけきついコースだったということだろう。

6月3日 トレールラン約35キロ
6月6日 ジョグ10キロ

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2017/06/03

『眺めのいい部屋』

Aroomwithaview_21986年、英。ジェームズ・アイヴォリー監督。アマゾンの紹介文。

20世紀初頭、イギリス。良家の令嬢ルーシーは、旅先で訪れたフィレンツェで労働者階級の青年と出会う。情熱的な彼にルーシーは強く惹かれるが……。封建的思想の残るイギリスを舞台に、大人の女性へと目覚めてゆく良家の令嬢の姿を描いた名作。ジェームズ・アイヴォリー監督による格調高い映像でアカデミー脚色賞、美術賞ほか数々の賞に輝いた。(引用終わり)

この監督の作品は『日の名残り』以来である。ここでも、貴族や階級といった制度がいまだに残るイギリス社会を背景に、そこで生きる人々の息遣いが感じられる人間ドラマが展開していく。

ストーリーそのものは極めて単純なのだが、主人公ルーシーの内面に踏み込んだ心象風景が、場面展開の際にクラシックな挿絵付きで表現されるのが面白かった。

しかし、何よりも映像の格調高い美しさが、この映画の生命だろう。特にフィレンツェの街の落ち着いた佇まいが、映画の最初と最後で強い印象を残している。

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